ウクライナ 小麦など港からの輸出 今週中の再開に向け準備進む

ロシア軍によるウクライナの東部や南部を中心とした攻撃が続く中、ウクライナ政府は、港からの小麦などの輸出を早ければ今週中にも再開できるよう準備を進めていると明らかにしました。

ロシア国防省はウクライナ東部ドネツク州にあるウクライナ軍の拠点を攻撃し、兵士と外国人のよう兵合わせて100人以上を殺害したと発表するなど、東部や南部を中心に攻撃を続けています。

こうした中、ウクライナ政府は25日、港からの小麦などの輸出について、早ければ今週中にも一部で再開し、今後2週間で3つの港すべてで再開できるよう準備を進めていると明らかにしました。

ロシアは、ウクライナ産の小麦などの輸出再開に向けて、国連などの仲介のもとでウクライナと合意した翌日に、輸出拠点の港をミサイルで攻撃しましたが、国連のハク副報道官は25日、定例の記者会見で「すべての当事者が頻繁に連絡を取り合っており、合意内容を再確認した。最初の船は数日内に動くだろう」と述べ、輸出再開に向けた準備は進んでいると強調しています。

一方、ウクライナのレズニコフ国防相は25日、地元テレビに対し、アメリカから先月、高機動ロケット砲システム=ハイマースの供与を受けて以降、ロシア軍の弾薬庫50か所を破壊したと明らかにしました。

そのうえで「ロシア軍の物流網を破壊し、彼らの戦闘能力を奪うものだ」として、ハイマースが大きな効果を発揮していると強調しました。

また、レズニコフ国防相は、ドイツが供与した「対空戦車」と呼ばれる自走式の対空砲がウクライナに到着したことをツイッターで明らかにし「われわれの防空能力が強化されるだろう」として、欧米からの追加の軍事支援を得て徹底抗戦する構えを改めて示しました。