台湾 中国のミサイル攻撃想定の防空訓練 例年より強化し始まる

台湾で、中国のミサイル攻撃を想定して通行人などを退避させる年に一度の防空訓練が25日から始まり、台北ではロシアによるウクライナ侵攻を受けて、市民の意識をより高めようと例年より強化した形で行われました。

台湾のことしの防空訓練は、今月28日まで4つの地域に分けて行われることになっていて、25日は北部で行われました。

中国のミサイル攻撃を想定した空襲警報のサイレンが鳴ると、解除されるまでの30分間、市民は必ず屋内で待機することになっていて、屋外にいた通行人たちは警察官や憲兵の誘導で近くにある建物の中や地下に入りました。

例年の訓練では、道路を通行中の車は路肩に停止させるだけですが、今回、台北市当局は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、市民の意識をより高めようと、市の全域で訓練を強化し、車やバスを止めるだけでなく乗っている人を降ろして退避させました。

地下鉄の駅の構内には、地上から退避してきた人のほか、電車から降りたものの外に出ることができない人の姿が大勢見られました。

訓練の空襲警報は、スマートフォンにも送信され、外出の途中で受信して地下鉄の駅の構内に入ったという60代の女性は「少々不便ですが、受け入れられます。皆の安全のためですから合わせないといけません」と話していました。

台湾では今週、この防空訓練と並行して、年に一度の大規模な軍事演習も行われています。