新型コロナ 夏休みの子どもたちの“居場所” 学童保育は苦慮

新型コロナウイルスの急速な感染拡大で、夏休み中の子どもたちの居場所にも深刻な影響が出ています。感染する児童が相次いでいる学童保育では、運営を続けるため、預け先がどうしても見つからない子どもに限って受け入れるなど、悩みながら対策をとっています。

神奈川県横須賀市でNPO法人が運営する学童保育「岩戸大矢部学童クラブ」では、先週、児童3人が相次いで新型コロナウイルスの陽性が確認されたということです。

このため、学童クラブは、保護者に利用の自粛を呼びかけ、25日は、ほかに預け先のない子どもに限って受け入れました。

利用の自粛を呼びかけるのは、2年前に一斉休校になって以来だということです。

ふだんは小学1年生から6年生まで42人がいますが、保護者が仕事を休んだり、職場に子どもを連れて行くなどしたりして、25日に出席したのは1年生と2年生1人ずつの2人だけとなりました。

子どもたちは、体調の変化がないかチェックを受けたあと、マスクを着けて静かに夏休みの宿題に取り組んだり、対面を避け、間隔をあけて昼食をとったりしていました。

ふだんは、上級生たちと一緒におこなっているカブトムシやクワガタの世話も、スタッフの助けを借りながら取り組んでいました。

1年生の男の子は「いつも遊んでくれる6年生がいないし、人が少ないから楽しくない。みんなが来たらドッジボールがしたいです」と話していました。

学童クラブは、今後も子どもたちの感染状況に応じて、受け入れのしかたを検討していくということです。

飛鳥井祐貴施設長は「夏休みに入ったばかりのタイミングで感染の波が直撃した形です。どの家庭にもかなりの協力をしてもらい、正直ものすごく心苦しいです。保育と安全の両立には悩み続けていますが、子どもの預け先がないと保護者は働けず、社会が動かない悪循環になる。職員と保護者で協力しながら、とにかく開所を続けられるよう頑張っていきたい」と話していました。