“スー・チー氏側近の元議員らに死刑執行”ミャンマー国営紙

ミャンマーの国営メディアは25日、アウン・サン・スー・チー氏の側近だった元議員ら4人に対し、テロ行為に関わったなどとして死刑を執行したと伝え、今後、国際社会からの批判が高まるものとみられます。

ミャンマーの国営紙によりますと、死刑が執行されたのはNLD=国民民主連盟の元議員で、アウン・サン・スー・チー氏の側近だったピョー・ゼヤー・トー氏と、著名な民主活動家のチョー・ミン・ユ氏ら4人だということです。

関係する当局の情報として「刑罰は手続きにもとづいて執行された」と伝えていますが、執行の時期などは明らかになっていません。

4人はテロ行為に関わったなどとして軍事法廷で死刑を宣告され、軍は執行する方針を示していました。

現地メディアなどによりますと、ミャンマーでは30年以上にわたって死刑が執行されたことはないということで、軍としては抵抗を続ける民主派勢力への圧力を強めるねらいがあるものとみられます。

4人の処遇をめぐってはASEAN=東南アジア諸国連合のことしの議長国を務めるカンボジアや欧米から、死刑を執行しないよう求める声が相次いでいたため、今後、国際社会からの批判が高まるものとみられます。

国連 声明を発表「とても落胆 加盟国は断固とした対応を」

国連のアンドリュース特別報告者が声明を発表し「愛国者で人権と民主主義の擁護者である人たちに死刑が執行されたとのニュースに憤るとともに、とても落胆している」と指摘しました。

声明の中でアンドリュース特別報告者は、4人は国際人権法に違反する形で軍事法廷によって裁かれたとしたうえで「デモ隊に対する広範で組織的な殺害や、集落全体への無差別攻撃、さらに、抵抗勢力の指導者への死刑執行に対し、国連の加盟国は直ちに断固とした対応をとらなければならない」と述べ、国際社会に対し速やかな措置をとるよう求めました。

国際的な人権団体「極めて残虐な行為」

国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の担当者は「死刑執行は、著しく不当で政治的動機に基づく軍事裁判の後に行われた」としたうえで「4人の死刑執行は、極めて残虐な行為だ」と非難しました。

そして「軍側の蛮行と冷酷な人命無視は、抵抗運動を抑圧することが目的だ。EUやアメリカ、そのほかの国は、すべての政治犯の釈放を含む速やかな措置を要求し、残虐な行為には結果が伴うことを軍側に知らせるべきだ」として国際社会が軍に対して圧力を強めることを求めました。

磯崎官房副長官「ミャンマー国軍の行い 深刻に憂慮」

磯崎官房副長官は午後の記者会見で「今回のミャンマー国軍の行いは、わが国が一貫して求めてきた、拘束されている人たちの解放に大きく逆行するものであり、国民感情の先鋭化による対立の激化や、国際社会におけるミャンマーのさらなる孤立化を招くもので、深刻に憂慮している」と述べました。

そのうえで「わが国として、クーデター以降、亡くなられたすべての方々のご家族に深い哀悼の意を表するとともに、ミャンマー国軍に対して、改めて平和的な問題解決に真剣に取り組むように求める」と述べました。

中国外務省「意見の違いや対立を適切に処理を」

中国外務省の趙立堅報道官は25日の記者会見で「中国は常に内政不干渉の原則を堅持している」としたうえで「われわれは、ミャンマーの各政党や勢力が国家や民族の長期的な利益を考慮して、憲法と法律の枠組みのもとで意見の違いや対立を適切に処理するよう一貫して主張している」と述べるにとどめました。