【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(25日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる25日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

英国防省「ロシア 軍用車両に損失広がる」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は24日、ロシアはウクライナでの戦闘に必要な兵力を確保するため北西部のボログダ州や中部のキーロフ州などロシアの地方都市を中心に契約軍人を募っていると指摘しました。

また、イギリス国防省は25日の分析で、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州に、軍用車両の整備や修理を行う施設が確認されたとしています。

そのうえで「戦闘車両や装甲車両それにトラックなど、少なくとも300台の損傷した車両がある」と指摘し、ロシアは兵員不足に加え、戦闘で必要な軍用車両などにも、損失が広がっているという見方を示しています。

ウクライナから避難の女性や子ども “人身売買に遭うリスク”

林外務大臣は、日本を訪問中のUNODC=国連薬物・犯罪事務所のワーリー事務局長と25日、外務省で会談し、ウクライナ情勢をめぐって意見を交わしました。

この中で、両氏は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて増加している、周辺国に避難する女性や子どもたちが、人身売買の被害に遭うリスクが高まっているとして、対策の強化が必要だという認識で一致しました。

また、ワーリー事務局長は、こうした喫緊の課題にUNODCが取り組んでいくうえで、日本からの協力の継続を要請しました。

これに対し林大臣は、東南アジアやアフガニスタンでのテロ対策や薬物対策などでも、日本とUNODCが連携して大きな成果をあげてきたことを強調し、両氏は、引き続き、法の支配の確立に向けて連携していくことを確認しました。

ゼレンスキー大統領「ロシア 対話の可能性まで破壊」

23日、ゼレンスキー大統領は公開したビデオメッセージでウクライナ南部の港湾都市オデーサでのロシア軍の攻撃を蛮行だと非難したうえで「ロシアは対話の可能性までも破壊してしまった」と述べました。

ロシア国防省 オデーサ攻撃 “合意に反していない”

ウクライナ南部の港湾都市オデーサで23日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、ウクライナ軍などは、けが人が出たほか、港のインフラ施設が被害を受けたと発表しました。

オデーサの港はウクライナ産の小麦の輸出拠点で、ロシア軍による封鎖で輸出が滞っていましたが、ウクライナとロシアは、トルコと国連の仲介のもとで輸出再開に向けて22日、合意したばかりでした。

ロシア国防省の報道官は24日、「港の敷地内で、ウクライナ軍の艦艇と、アメリカが供与した対艦ミサイル『ハープーン』の保管庫をミサイルで破壊した」と述べ、ミサイル攻撃を認めながらも、今回の合意には反していないと、攻撃を正当化しました。

ロシア ラブロフ外相 欧米の制裁解除を改めて主張

ロシアのラブロフ外相は24日、訪問先のエジプトで行った記者会見で「われわれはロシアの穀物輸出業者がすべての責任を果たすことを確認した」と述べる一方、ロシア産の農産物の輸出についても「パッケージで解決される問題だ」と述べて、欧米によるロシアへの制裁を解除すべきだと改めて主張するなどしていて、合意が確実に履行され、食料供給の安定に向けウクライナ産の小麦などの輸出が再開されるかどうかは不透明な状況です。