“平和な町へのテロだ”ミサイル着弾のショッピングセンターは

ウクライナでは侵攻を続けるロシア軍によるミサイル攻撃が激しくなっていて、戦線から遠く離れた都市部でも市民の犠牲が増え続けています。

このうち、ウクライナ中部ポルタワ州のクレメンチュクでは、先月27日、中心部にあるショッピングセンターがロシア軍からのミサイル攻撃を受けました。

当時、ショッピングセンターは、食料品を買い求める大勢の買い物客で混雑していて、ウクライナ側によりますと22人が死亡し、100人以上がけがをしたということです。

NHKの取材班は22日、地元のビタリー・マレツキー市長の案内で、内部の撮影が許可されました。マレツキー市長によりますと、ミサイルはショッピングセンターの壁を突き破って床に着弾し、爆風によって建物の壁や屋根の大部分が吹き飛ばされたということです。

建物は骨組みだけを残し、爆発のあとに広がった火災の影響で一部が黒く焼け焦げていたほか、周辺にはガラスの破片が広い範囲に散乱していました。
当時、ショッピングセンターの中で勤務していた警備員のオレフ・ドブホポルさん(22)は「大きな爆発がして、電気が落ちて真っ暗になった。座っていたいすから落ちたほどだった」と衝撃の大きさを話していました。
またマレツキー市長は「ロシアはウクライナの市民に恐怖を与えるためにこうした攻撃をしている。平和な町に対するテロだ」と憤りをあらわにしていました。

ウクライナ国防省は、ロシア軍による攻撃の7割がこうした民間施設などを標的にしていると非難している一方、ロシア側は「民間施設を攻撃することはない」という主張を繰り返しています。