独 ロシアから天然ガス供給大幅減 国民の負担増へ

ドイツ政府は、ロシアからの天然ガスの供給が大幅に削減された影響で経営難に陥った国内最大手のガス供給会社を救済するとともに、ロシア産に代わるガスの調達コストの増加を会社が消費者に転嫁できるようにすると発表しました。
ショルツ首相は、家計の負担を減らす対策を講じるとして理解を求めています。

ドイツでは先月、ロシアからの主要な天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の供給量が大幅に削減され、今月21日までは点検を理由に停止されました。

その後、再開されましたが、供給量は点検前と同じ60%削減された状態にとどまっています。

こうした中、ショルツ首相は22日、ロシアからの供給が減少したため追加のガスの調達コストが増加し経営難に陥ったドイツ最大手の供給会社を救済すると発表しました。

この会社の株式の30%をおよそ2億7000万ユーロ、日本円でおよそ380億円で取得して経営を支えるということです。

またショルツ首相は、この秋からガスの供給会社が追加の調達コストを消費者に転嫁できるようにすることも明らかにしました。

平均的な家庭の負担は年間およそ3万円から4万円増える見込みで、ショルツ首相は家計の負担を減らす対策を講じるとして理解を求めました。

そして「どんな時もロシアから合意した量のガスが送られてくるという、長年の考えは誤りだった」と述べ、供給量の減少の長期化に備え、国民にガスの節約などを呼びかけました。