ウクライナ穀物輸出 再開に向けた協議大詰め 合意の可能性も

ウクライナ産の小麦などの輸出が滞っている問題でロシアとウクライナ、それに仲介役のトルコと国連を交えた協議が大詰めを迎えています。日本時間の22日夜にも、合意が交わされる可能性があり、世界的に食料価格が高騰する中、事態の打開につながるのか注目されます。

ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐって、ロシアとウクライナは仲介役のトルコと国連を交えて交渉を続けています。

4者はこれまでの協議で、黒海の海上輸送の調整にあたる機関をトルコのイスタンブールに設置することなどで一致していて、港周辺に敷設された機雷への対応や、農産物を積んだ船の航行の安全をどのように確保するかなどをめぐって、協議を続けてきました。

これについて、トルコのカルン大統領首席顧問は21日「世界の食料安全保障に重要な穀物輸出の署名式が22日、イスタンブールで開催され、国連のグテーレス事務総長やロシア、ウクライナの代表団が参加する」と述べ、22日にもイスタンブールで4者による合意が交わされる可能性を示唆しました。

また、国連も21日、グテーレス事務総長がすでにイスタンブールに
到着したと明らかにしたほか、ロシアのショイグ国防相も日本時間の22日夜、イスタンブールに到着しました。

一方、ロシア外務省のルデンコ次官は21日、合意が近いことを示唆しながらも「ロシアの穀物の問題も解決されるべきだ」と述べ、ロシア産の農産物の輸出への制限措置も解除されるべきだなどとして、ウクライナ側との主張に隔たりも見られます。

世界的に食料価格が高騰する中、このあと双方の間で合意が交わされ、事態の打開につながるのか注目されます。