ロシア軍 攻撃継続も“意味ある前進みられない” 戦況こう着か

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州で地上作戦を本格化させたとみられますが、部隊は前進していないとの分析もあり戦況はこう着しているもようです。
一方、ウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐり、ロシアとウクライナがトルコと国連を交えて行っている協議は大詰めを迎えているとみられ、事態の打開につながるか注目されます。

戦況こう着か

ロシア国防省は21日、ウクライナ南部のオデーサ州で今月16日に行った空爆でウクライナ側の兵士600人以上を殺害したと発表するなど攻撃を続けています。

一方、ロシア軍が掌握を目指すウクライナ東部ドネツク州について、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は20日「ロシア軍は短期間の作戦休止のあと活発な地上攻撃を再開したが、意味のある前進がみられない」として戦況はこう着していると分析しました。

小麦など輸出停滞 4者協議は大詰めか

こうした中、ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐって、ロシアとウクライナが仲介役のトルコと国連を交えて交渉を続けています。
トルコのチャウシュオール外相は21日「数日中にもいいニュースが出せると期待している」と述べたほか、カルン大統領首席顧問もツイッターで「世界の食料安全保障に重要な穀物輸出の署名式は22日、イスタンブールで開催され、国連のグテーレス事務総長とロシア、ウクライナの代表団が参加する」としていて協議は大詰めを迎えているとみられます。

また国連の副報道官は会見で、グテーレス事務総長が21日からトルコのイスタンブールを訪問すると発表し仲介の取り組みの一環だと説明しました。

一方で合意については「状況はやや流動的なため、いつ、どのような署名が行われるのかは現段階では言えない」と述べるにとどめています。

ロシア外務省のルデンコ次官は21日「ビデオ形式で協議は続き、関係者は建設的に取り組んでいる。近い将来、合意に達すると願っている」と述べましたが「ロシアの穀物の問題も解決されるべきだ」としてロシア産の農産物の輸出についても制限措置の解除が必要だと主張しています。

協議ではそれぞれの主張に隔たりも残っているとみられ、世界的に食料価格が高騰する中、事態の打開につながるか注目されます。