都内の救急車稼働率98%超える コロナ感染者の救急搬送が急増

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、都内では今月に入ってから感染した患者の救急搬送が再び急増し、救急車の稼働率は21日午前中の時点で98%を超えています。空き病床が見つからず、搬送までに5時間以上かかるケースも出ていて、東京消防庁は担当の職員を増やすなどして対応にあたっています。

東京消防庁によりますと、都内で感染が確認され、自宅などで療養している患者の救急搬送は、今月17日までの1週間で合わせて552件と、1か月前と比べておよそ10倍に急増しています。

これにともなって119番通報も増え、19日は3800件余りと、1か月前よりおよそ1000件多くなりました。

療養中の患者などに加え、熱中症に関する通報も増えているということで、東京23区の通報を受け付けている東京消防庁の「災害救急情報センター」では、21日も職員たちが対応に追われていました。

こうした中、救急車の稼働率は21日午前中の時点で98%を超えているということです。

また、空き病床が見つからず搬送までに時間がかかるケースも増えていて、今月17日までの1週間で見ますと、552件のうち86%が搬送までに1時間以上かかっています。

5時間以上かかったケースも20件あったということです。

救急搬送の件数は、第6波のピーク時と比べると8割程度だということですが、東京消防庁では今後さらに増える可能性があるとして、臨時の救急車を出したり、担当の職員を増やしたりして対応にあたっています。

東京消防庁総合指令室の藤野祐三消防司令補は「通報が集中するとつながりにくくなったり、通常より救急隊の到着に時間がかかったりする場合がある。救急車を呼ぶかどうか迷った時は、東京都の『発熱相談センター』などに電話することも検討してほしい」と話していました。