ロシア ウクライナ南部などの掌握も視野に 戦況はこう着か

ロシアは、ウクライナ東部2州にとどまらず、南部など周辺地域の掌握も視野に入れることを表明しました。一方、ロシア側が掌握する東部地域でも軍が前進していないとの分析もあり、戦況はこう着状態が続いています。

ロシア国防省は20日、東部ドネツク州で武器庫などをミサイルで攻撃したと発表し、当面はドネツク州の掌握を目指し地上作戦を本格化させているとみられています。

また、イギリス国防省は21日、ロシア軍がドネツク市から北東に50キロほどにあるウクライナで2番目に大きい発電所に接近している可能性があると指摘しています。

こうした中、ロシアのラブロフ外相は20日のインタビューで「今や地理的な目標は変わった。ドンバス地域だけでなく、ヘルソン州やザポリージャ州、さらにほかの地域も含まれる」と述べ、東部2州にとどまらず、南部など周辺地域の掌握も視野に入れていることを明らかにしました。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は20日「ロシア軍は短期間の作戦休止のあと活発な地上攻撃を再開したが、意味のある前進がみられない」として、戦況はこう着していると分析しました。

そして「ラブロフ外相の目標は、作戦が停滞し部隊が打撃を受けている最近の現実とは著しくかけ離れたものだ」と指摘しています。