ドイツ 天然ガス供給再開見通し示すもロシアの対応は不透明

ロシアからドイツに向かう天然ガスの輸送をめぐる問題で、ドイツ側は、ガスパイプラインの定期点検が終わる21日にも供給が再開されるという見通しを示しました。
しかし、ロシアのプーチン大統領は、修理のため国外に出した設備が、制裁の影響で戻っていないなどと主張していて、供給が全面的に再開されるかどうかは不透明です。

ロシアとドイツを結ぶ海底のガスパイプライン「ノルドストリーム」をめぐり、運営するロシアの政府系ガス会社ガスプロムは、今月中旬以降、定期点検を理由にガスの供給を停止し、点検が終わる21日以降のロシア側の対応が注目されています。

こうした中、ドイツ国内でパイプラインを運営する事業者は20日、供給が再開される予定だと発表する一方で、供給量は40%にとどまるという見通しを示しました。

ロシア側は先月、国外に修理に出したタービンが制裁の影響で戻ってこないとして供給量を40%にまで削減していて、プーチン大統領は、20日、タービンが依然、戻っていないとしたうえで「設備が戻らなければ供給量は大幅に減る」とドイツ側をけん制しました。

さらに、今月末には別のタービン1台も修理に出す予定だと主張しました。

これに対してドイツ政府のホフマン副報道官は20日、記者会見で「ガスプロムには供給者としての義務がある」と述べ、供給の全面再開を強く求めましたが、ロシアが契約どおりの十分な量のガスを供給するかどうかは不透明です。