EU委員長 来年3月までの天然ガス使用量15%抑制 加盟国に提案

EU=ヨーロッパ連合は、ロシアから加盟国への天然ガスの供給が減っていることを受けて、加盟国に対しこの冬を乗り切るために天然ガスの使用量を15%削減するよう提案しました。

EUの執行機関、ヨーロッパ委員会のフォンデアライエン委員長は20日、記者会見し「ロシアはエネルギーを武器として使っている。ロシアからの天然ガスの供給が完全に止まる可能性も十分ある」と述べ、この冬を乗り切るために加盟国に提案した対策を発表しました。

提案した対策では、加盟国は来月から来年3月まで自主的にガスの使用量を15%削減するとし、さらに深刻なガス不足が見込まれる場合はEUが強制的に使用量を制限することもありうるとしています。

フォンデアライエン委員長はロシア産ガスへの依存度は国ごとに異なるとしつつも「ロシアからの供給が止まればEU全体が影響を受ける。だからこそすべての加盟国が節約と貯蔵に貢献することが重要だ」と強調しました。

ヨーロッパ委員会によりますとロシアからEU加盟国に供給されている天然ガスの量は去年の同じ時期に比べて3分の1以下に減っていて、EUは調達先の多様化などを進めているものの使用量の削減に踏み切らざるを得なくなった形です。

対策の実施には加盟国の承認が必要で、EUでは今月26日にエネルギー相会議を開いて協議することにしています。