救急搬送困難 17日までの1週間 4139件 コロナ感染疑い4割近く

新型コロナウイルスの感染が急激に拡大する中、今月17日までの1週間に救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」が4139件と、前の週のおよそ1.5倍に急増していることが分かりました。新型コロナウイルスの感染が疑われるケースが4割近くを占め、総務省消防庁は今後も増加が懸念されるとして状況を注視したいとしています。

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

今月17日までの1週間は4139件と前の週より1000件余り、およそ1.5倍に急増し、6月下旬から4週連続で前の週を上回りました。

新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると5倍近くに達しています。

搬送困難な事例が4000件を超えたのは、第6波の影響を受けたことし3月以来です。

地域別には
▽東京都が2234件、
▽大阪市が349件、
▽横浜市が272件、
▽千葉市が150件、
▽札幌市が144件、
▽さいたま市が141件、
▽福岡市が89件
などとなっています。

このほか大都市と比べると件数は多くないものの、搬送困難な事例が2倍以上に急増している地域もあります。

また新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる2019年の同じ時期と比べると
▽東京都が6.57倍、
▽大阪市が2.93倍、
▽横浜市が7.16倍、
▽千葉市が2.34倍、
▽札幌市が6倍、
▽さいたま市が3.71倍、
▽福岡市が12.71倍
と各地で大幅に増えています。

搬送困難な事例のうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは、前の週からおよそ1.8倍の1598件に上り、全体の40%近くを占めています。

総務省消防庁は「全体の件数は第6波のピーク時の水準にはいたっていないが、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースの割合は多い傾向にある。新型コロナに加えて熱中症による搬送も増えやすい時期なので、今後も搬送が困難な事例の増加が懸念され、状況を注視していきたい」と話しています。