ロシア国防相 無人機破壊を指示 ウクライナ軍は要衝の橋を攻撃

ウクライナへの侵攻を指揮するロシアのショイグ国防相が前線部隊を視察して、ウクライナ軍の無人機を破壊するよう指示し、ウクライナ側の攻撃能力をそぐねらいがあるとみられます。一方のウクライナ軍はロシアが掌握を主張する南部ヘルソン州で交通の要衝の川にかかる橋を攻撃したとみられ、反撃を続けています。

ロシア国防省は20日、ショイグ国防相がウクライナで戦闘を続ける前線部隊を視察したと発表しました。

ショイグ国防相は現地の司令官から戦況の報告を受けたうえで、「ロシアとの国境地帯で攻撃を行うウクライナの無人機を破壊するペースを加速させるよう指示した」としていて、ウクライナ軍がロシアが掌握した地域で無人機を使って攻撃を仕掛けているとして作戦を強化するよう指示しました。

ショイグ国防相はこのところ前線部隊の視察を相次いで行っていて、18日にも現地の司令官に対し「敵側は長距離ミサイルと大砲で攻撃している」としたうえで、ウクライナ軍が使用するミサイルを優先的に攻撃するよう指示するなど、ウクライナ軍の攻撃能力をそぐねらいがあるとみられます。

ロシア軍は掌握を目指す東部ドネツク州で地上作戦を本格化させようとしていますが、一方のウクライナ軍は欧米から供与された兵器を使ってロシア側が掌握したと主張する南部ヘルソン州などで反撃を続けています。

戦況を分析するイギリス国防省は20日、ウクライナを縦断しヘルソン州から黒海につながる交通の要衝のドニプロ川で、19日、ウクライナ軍が川にかかる橋を攻撃したと指摘しました。

イギリス国防省によりますと、ロシア側はヘルソン市を含むこの地域を重視していて、この橋はロシア軍にとって物資の補給や部隊を撤退させるために必要なルートだったため、今後もロシア軍がこの橋を支配し続けるかどうかはこの地域の戦況の重要な要素になると分析しています。