「ロシア軍が原発を軍事基地として使用」ウクライナ側が非難

ロシア軍による掌握が続くヨーロッパ最大規模の原子力発電所について、ウクライナの原子力発電公社の総裁は、外部から攻撃できない原発をロシア軍が軍事基地として使用し、敷地内からウクライナ側にミサイル攻撃を行っていると非難しました。

ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所は、激しい攻撃を続けたロシア軍によって3月上旬から掌握されています。

ザポリージャ原発について、ウクライナの原子力発電公社エネルゴアトム社のペトロ・コティン総裁は今月15日、NHKのオンラインインタビューに応じ「最近、ロシア軍が原発の敷地に新たにミサイル発射装置を持ち込み、そこから攻撃している」と述べ、ロシア軍が原発に兵器を持ち込み、軍事基地として使用していると指摘しました。

また、コティン総裁は「ロシア軍は自分たちを守るために原発を利用している。ウクライナ軍からは原発の敷地を攻撃できない」と述べ、ロシア軍が核燃料が保管されるなど外部から攻撃できない原発を盾にして、ウクライナ側にミサイル攻撃を行っていると非難しました。

コティン総裁によりますと、原発では今もおよそ1万人の技術者などが働いているということですが、ウクライナの当局などに協力できないようロシア軍が厳しく言動を監視しているということです。

コティン総裁は「ザポリージャ原発をあしたも安全に運転できるという保証はない。ことばでは表せない許しがたい状況だ」と述べ、原発の敷地からロシア軍を撤退させるため国際社会からの圧力が一層必要になっていると訴えました。