夏休み国内旅行先 沖縄が全国で最も高い人気 感染者数は急増

ことしの夏休みの国内旅行先の中で、沖縄が全国で最も人気の高い旅行先となっていることが大手旅行会社の調査で分かりました。

大手旅行会社エイチ・アイ・エスは今月21日から来月末に出発するツアーや航空券の予約状況をもとに、旅行動向を取りまとめました。

それによりますと、国内旅行では沖縄県を旅行先にしている予約者数が全国で最も多くなり、前の年の417%となりました。

2位は北海道、3位は長崎県でした。

沖縄行きの旅行の内訳は本島が75%、宮古島が15%、石垣島が8%となっています。

一方で、沖縄のレンタカー不足について「お盆など需要が集中する時期の予約が取りづらい傾向にあり、早めの予約を薦める」としています。

新型コロナの感染者が増加傾向にある中、一部では旅行をキャンセルする動きもありますが、日本トランスオーシャン航空が来月10日と11日に羽田・那覇間で深夜・早朝の臨時便の運航を予定するなど、去年の夏休みと比べて旅行客は大幅に増加する見込みです。

人口10万人当たりの新規感染者数は全国ワースト

一方で、沖縄県内の感染者数は急増しています。

沖縄県は19日、新たに2055人が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表しました。

病床使用率がことし1月29日以来、およそ半年ぶりに70%を超え、さらに新型コロナに対応している病院で感染するなどして働くことができなくなっている医療従事者は768人と過去最多を更新し、病床の一層のひっ迫が懸念されています。

沖縄県によりますと、新たに感染が確認されたのは2055人で、前の日が平日だった先週の火曜日と比べて1381人少なくなっています。

年代別では多い順に10歳未満と40代がそれぞれ336人、30代が313人、10代が280人、20代が217人、50代が195人、60代が157人、70代が94人、80代が77人、90歳以上が44人、不明が6人となっています。

地域別では多い順に那覇市が419人、石垣市が207人、沖縄市が194人、浦添市が157人、うるま市が141人、宮古島市が121人、宜野湾市が111人、豊見城市が76人、糸満市が75人、名護市が65人、南城市が60人です。

このほかの町村は保健所の管轄別に、南部保健所管内が179人、中部保健所管内が174人、北部保健所管内が40人、八重山保健所管内が17人、県外が17人、確認中が2人となっています。
これで県内で感染が確認されたのは29万9988人になりました。

人口10万人当たりの新規感染者数は18日までの1週間で1618.73人と引き続き全国ワーストで、全国の平均のおよそ3倍となっています。

19日現在、入院しているのは18日より46人多い477人で、新型コロナ患者用の病床使用率は73.7%、国の基準での重症者は17人、中等症の人は227人です。

病床使用率が70%を超えるのは、ことし1月29日の70.6%以来、およそ半年ぶりです。

また、入院患者が増加傾向にある宮古保健所管内では、19日から医療フェーズを「3A」から「5」に3段階引き上げ、確保病床を26床から66床に増やしました。

一方、新型コロナに対応している病院で感染したり濃厚接触者になったりするなどして働くことができなくなっている医療従事者は768人と、18日の732人を超えて過去最多を更新し、病床の一層のひっ迫が懸念されています。

また、社会福祉施設での療養者数も過去最多となっていて、高齢者施設で541人、障害者施設で159人が療養しています。

県は19日夜、専門家会議を開き、今後の対策を協議することにしています。

このほか、アメリカ軍から県に対し、新たに64人の感染が確認されたと連絡があったということです。

PCR検査を受ける人たちが次々と病院に

感染が急拡大している沖縄県石垣市の病院などにはPCR検査を受ける人たちが次々と訪れています。

このうち、石垣市新川にある「かりゆし病院」では、石垣市や保健所に相談し検査を受けるよう求められた人を対象に車の中で検体を採取するいわゆる「ドライブスルー方式」でPCR検査を行っています。

19日は検査開始の午前10時半から車の列ができていて、看護師が窓越しに綿棒を使って検体を採取するなどしていました。

「かりゆし病院」の境田康二院長は「一日に300人ほどを検査していて、200台ほどの車が押し寄せ、周辺にお住まいの皆様にはご迷惑をおかけしている。なかには予約せずに飛び込みで突然来る人もいて、現場の作業が混乱し、検体の取り違えなどが起こる可能性もあるので、予約したうえで検査を受けてほしい」と話していました。