岸田首相 サウジアラビア外相と面会 原油市場安定へ協力要請

ウクライナ情勢の影響で原油価格が高止まりする中、岸田総理大臣はサウジアラビアのファイサル外相と面会し、原油市場の安定化に協力を求めたのに対し、ファイサル外相も応じる意向を示しました。

岸田総理大臣は、19日午前、総理大臣官邸で日本を訪れているサウジアラビアのファイサル外相とおよそ15分間、面会しました。

この中でファイサル外相は、参議院選挙の応援演説中に銃で撃たれて亡くなった安倍元総理大臣に哀悼の意を示したうえで「サウジアラビアは常に日本とともにあり、日本との関係を一層強化していきたい」と述べました。

これに対し、岸田総理大臣は、サルマン国王やムハンマド皇太子からの弔電も含めて謝意を伝え、サウジアラビアとの友好関係をさらに発展させたいという考えを伝えました。

そして、ウクライナ情勢の影響で原油価格が高止まりする中、原油市場の安定化に協力を求めたのに対し、ファイサル外相も応じる意向を示しました。

ファイサル外相「増産する余地はある」

岸田総理大臣と面会したサウジアラビアのファイサル外相は、19日午後、都内で報道陣の質問に答え「今回の訪問の理由の一つは、パンデミック以前のような両国関係の勢いを維持し、未来へ向けた協力を確認するためだ」と述べ、日本とのさらなる関係強化に意欲を示しました。

また、原油価格が高騰する中、サウジアラビアなどの産油国に増産を求める声が強まっていることについては「サウジアラビアとOPECプラスは、必要があると判断すれば、現在、増産する余地はある。OPECプラスは今、短期的に対応すべき供給不足が原油市場で起きていないか、見極めている」と述べるとともに「エネルギー安全保障はサウジアラビアが日本を含むパートナーと常に取り組んできたことだ」と強調しました。