九州南部 きょう昼前にかけて非常に激しい雨のおそれ 警戒を

前線と低気圧の影響で、九州南部では発達した雨雲が流れ込み、局地的に非常に激しい雨が降っています。20日の昼前にかけて非常に激しい雨が降るおそれがあり、土砂災害や川の増水などに警戒が必要です。

気象庁によりますと、前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、九州や北日本を中心に大気の状態が不安定になっています。
九州や中国地方では18日から19日朝にかけて発達した雨雲が次々と流れ込み、線状降水帯が相次いで発生しました。
九州南部に再び発達した雨雲が次々と流れ込んでいるほか、東北などで断続的に激しい雨が降っています。
午前2時半までの1時間には
▽鹿児島空港で60.5ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽岩手県釜石市で29.5ミリの強い雨が降りました。

これまでの雨で、鹿児島県と岩手県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

九州南部 非常に激しい雨のおそれ

今後の見通しです。
20日は日本海にある低気圧が三陸沖へ進み、前線が九州南部付近に南下する見込みです。九州南部では20日昼前にかけて1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあるほか、そのほかの西日本や東日本、東北でも大気の不安定な状態が続く見込みです。
20日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽九州南部で180ミリ
▽九州北部で120ミリ
▽北陸、関東甲信、東北で80ミリ
▽東海で70ミリと予想されています。

その後、21日夕方までの24時間に降る雨の量は、九州南部で50ミリから100ミリと予想されています。

特に鹿児島県や宮崎県、熊本県などでは、先週大雨となって土の中の水分が多い状態が続いているところがあり、発達した雨雲がかかると土砂災害などの危険性が急激に高まる可能性があります。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。
過去には雨が弱まって数時間以上たってから土砂災害が発生し、犠牲者が出たケースもあります。自治体などの情報をよく確認してください。

日本列島 “梅雨末期”のような気圧配置に

気象庁によりますと東シナ海から伸びる前線と低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、日本列島は“梅雨末期”のような気圧配置となりました。

前線の南側では高気圧のふちを回って流れ込む暖かく湿った空気と大陸からの西寄りの風が合流し、九州では18日から19日朝にかけて発達した雨雲が次々と流れ込みました。
九州や山口県では線状降水帯が発生するなど大雨となり、土砂災害や川の増水などによる浸水も相次ぎました。

18日午後には長崎県の対馬市付近で雨雲が急激に発達したのをはじめ、18日夜から19日未明にかけては山口県や福岡県などで発達した雨雲が次々とかかり、気象庁は線状降水帯が確認されたとして「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。

前線の南下に伴って雨雲は次第に東へ移動し、暖かく湿った空気が流れ込み続けたため、19日昼ごろには京都市や滋賀県で雨雲が発達して1時間におよそ90ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。

夕方にかけては雨雲は東海や関東にもかかり、局地的に非常に激しい雨が降りました。

低気圧は20日朝にかけて北日本を東へ進み、前線は日本の南へ移動する見込みです。

低気圧が通過する東北では19日夜遅くにかけて、前線がかかり続ける九州南部では20日昼前にかけて大雨になるおそれがあります。

九州南部や東北では先週の大雨で地盤が緩んでいるところがあり、再び雨雲がかかり続けると土砂災害の危険性が急激に高まるおそれがあります。

特に九州南部では雨が長く続くため、今後、雨が強くなくても土砂災害が発生する可能性もあり、最新の自治体からの情報や気象情報に注意してください。

「顕著な大雨に関する情報」とは

「顕著な大雨に関する情報」は、発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いて土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったときに発表されます。

「線状降水帯」は、2020年の7月豪雨や2018年の西日本豪雨など、これまでの豪雨災害で繰り返し確認され、予報を上回って、短い時間で状況が悪化する危険性があります。

この情報が出た際は、
▽自治体からの避難の情報に基づき、周囲の状況を確かめて早めの避難をするほか、
▽すでに避難場所までの移動が危険な場合は、崖や沢から離れた近くの頑丈な建物に移動したり、建物の2階以上など浸水しにくい高い場所に移動したりするなど、
身の安全を確保することが重要です。

情報が発表される基準は、
▽3時間の解析雨量が100ミリ以上になっている範囲が500平方キロメートル以上あることや、
▽その領域の形状が「線状」であることなどと決められています。

ただ、台風本体の雨雲が近づいた時など「線状降水帯」とは言えない状況でも発表されることがあります。

情報が“間に合わない”ケースも

注意が必要なのは、この情報が発表された際、すでに外に出ることすら危険になっているおそれもあることです。

気象庁が過去の災害事例で検証したところ「顕著な大雨に関する情報」を発表する基準に達していない段階でも大きな被害が出ていた事例があるということです。

また、情報が出ていない地域でも今後、雨雲が移動し、急激に状況が悪化するおそれもあります。

このため気象庁は、避難情報に直結はせず、危機感を高めてもらうための情報だとし、5段階で運用されている大雨警戒レベルでは「レベル4“相当以上”」だとしています。

そのうえで、情報を待つことなく、
▽気象庁のホームページで確認できる危険度分布や
▽河川の水位情報などをもとに、
早めの避難を心がけてほしいと呼びかけています。

土壌雨量指数「非常に高い」

線状降水帯が確認されるなど大雨となっている九州北部や山口県では、土砂災害の危険性の指標となる「土壌雨量指数」が非常に高くなっています。

今後、雨が強まると予想される熊本県や鹿児島県、宮崎県でも今後の雨で土砂災害の危険性が急激に高まるおそれがあります。

いつもの雨より早いタイミングで災害が起きるかもしれないという意識で、最新の情報に注意して、避難の準備などを進めてください。

土の中の“タンク”には大量の水が

「土壌雨量指数」は降った雨がどれくらい土の中にたまっているか、水分量を示す指標です。

気象庁の大雨警報や土砂災害警戒情報はこれをもとに発表されています。

18日夜から19日未明にかけて、猛烈な雨が降った九州北部や山口県では土砂災害の危険度が高い状態が続いています。

一方、これから雨が強まるとみられる熊本県や九州南部(鹿児島県・宮崎県)では先週末から続く大雨で、土の中の水分量を示す「土壌雨量指数」がふだんよりも高い状態となっています。

土砂災害に詳しい専門家によると、一般的に雨がやんで1日や2日では土の中の水分はほとんど抜けず、地質の違いを考慮しても、ある程度の水分が残ったままの状態が続くということです。

つまり、土の中の“タンク”は水がたまった状態で抜けきっていないため、今後、少しの雨で土砂災害が発生したり、規模の大きな災害につながる危険性があります。

19日は、斜面や崖からはできるかぎり離れて過ごすとともに、気象庁の「土砂災害警戒情報」や自治体の避難の情報に注意して、すぐに避難できるよう準備をしておいてください。

前兆現象があることも

また、土砂災害が発生する前には「前兆現象」があることがあります。

例えば、
▽斜面から小石が落ちてくる
▽斜面に亀裂ができる
▽斜面から突然水が湧き出したり川の水が急に少なくなったりする
▽「山鳴り」や「地響き」がするといったものです。

土砂災害警戒情報や避難の情報が出ていなかったとしても、こうした、いつもと異なる現象に気付いた場合は、すぐに崖や斜面から離れて、安全な場所に避難してください。