【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(19日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 テヘランに到着

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の今夜10時ごろ、イランの首都テヘランに到着しました。このあとイランのライシ大統領や最高指導者ハメネイ師との会談に臨む予定です。

ロシア国防省「ドネツク州攻撃 ウクライナ兵250人以上殺害」

ロシア国防省は18日、東部ドネツク州の各地をミサイルで攻撃し、ウクライナ兵士250人以上を殺害し、兵器などを破壊したと発表しました。

ロシアではショイグ国防相が、16日に続き、18日も前線部隊を視察したと発表し、この中で、反撃に使われているウクライナ軍のミサイルなどを優先的に攻撃するよう指示したとしています。

ロシア軍は今後、ドネツク州の掌握に向け、地上作戦を本格化させるとみられ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は18日の分析で、まずは州内のウクライナ側の拠点の周辺の町から徐々に攻勢を強めるという見方を示しています。

ウクライナから日本への避難民1560人に

出入国在留管理庁によりますと、ウクライナから日本に避難した人は17日時点で、1560人となっています。

内訳は、
▽ことし4月に政府専用機で避難してきた人が20人、
▽政府が座席を借り上げた民間の航空機で避難してきた人が合わせて154人、
▽そのほかの手段で避難してきた人が1386です。

性別は、
▽男性が387人、
▽女性が1173人となっています。

年代別では、
▽18歳未満が349人、
▽18歳以上、60歳以下が999人、
▽61歳以上が212人です。

入国日を月別にみると、
▽3月が351人、
▽4月が471人、
▽5月が332人、
▽6月は282人、
▽7月は17日までに124人です。
入国した人のうち、少なくとも46人はすでに日本から出国しているということです。

政府は避難してきた人たちに90日間の短期滞在を認める在留資格を付与し、本人が希望すれば、就労が可能で1年間滞在できる「特定活動」の在留資格に変更することができます。

この在留資格に変更すると、住民登録をして国民健康保険に加入したり、銀行口座を開設したりすることができ、18日までに1257人が「特定活動」に資格を変更したということです。

政府は、ウクライナから避難した人たちのうち、日本に親族などの受け入れ先がない人については、一時的な滞在先としてホテルを確保し、受け入れ先となる自治体や企業などを探していて、今月14日までに40世帯72人の受け入れ先が決まっています。

日本での避難生活が長期化する中、ことばや就労、教育などについてニーズに応じた支援が求められています。

プーチン大統領 イラン・トルコの大統領と会談へ

ロシアのプーチン大統領は、日本時間の19日夜、イランの首都テヘランを訪れ、イランのライシ大統領や最高指導者ハメネイ師との会談に臨む予定です。

一連の会談では、核開発問題を抱えるイランと欧米の経済制裁への対応について話し合い、戦略的な関係を強化したいねらいとみられます。

また、プーチン大統領は、同じくテヘランを訪れているトルコのエルドアン大統領ともウクライナへの軍事侵攻後、初めて対面での会談を行う予定です。

トルコは、国連とともにウクライナ産の小麦など、農産物の輸出再開に向けた協議を仲介していて今月13日、ロシアとウクライナを交えた4者で実務者レベルの協議を行うなど交渉は大詰めを迎えています。

国際的に食料危機への懸念が強まる中、両首脳は、小麦の輸出再開を巡っても話し合う見通しで、プーチン大統領の出方が焦点の1つです。

一方、ロシア、イラン、トルコの3か国の首脳会談も行われ、シリア情勢などについても意見が交わされる見通しです。

プーチン大統領としては、アメリカのバイデン大統領が先週、中東を歴訪した中で、友好関係にあるイランやトルコとの連携を印象づけ、欧米側への対抗軸を鮮明にしたい思惑とみられます。

ゼレンスキー大統領夫人 米国務長官らと会談

ウクライナのゼレンスキー大統領の妻、オレーナ氏がアメリカを訪れ、ブリンケン国務長官らと会談し、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナへの支援を訴えました。

オレーナ氏は18日、首都ワシントンでブリンケン国務長官と会談しました。

国務省の発表によりますと、会談ではウクライナへの支援をめぐって意見が交わされ、ブリンケン長官は、ロシアが民間人の殺害を続けていると厳しく非難しました。

そのうえでブリンケン長官は被害を受けた市民に対してオレーナ氏が主導して行っているメンタルヘルス対策などを含め、ウクライナへの支援を続けていくと強調したということです。

また、同じ日、オレーナ氏は対外支援などを行っている国務省傘下のUSAID=アメリカ国際開発庁のパワー長官とも会談を行い、人道支援などについて意見を交わしました。

ホワイトハウスなどによりますとオレーナ氏は滞在中、ジル・バイデン大統領夫人と会談するほか20日にはアメリカの連邦議会で演説を行うことになっていて改めてアメリカ、そして国際社会にウクライナへの支援を訴えるものと見られます。

「サハリン2」新会社参画の条件など見極めて出資判断 経産相

日本の大手商社が権益を持つロシア極東の天然ガスの開発プロジェクト「サハリン2」をめぐり、ロシアのプーチン大統領が事業主体を新たに設立するロシア企業に変更するよう命じる大統領令に署名したことについて、萩生田経済産業大臣は新会社に参画する場合の条件などロシア側の出方を見極めたうえで、出資を続けるか判断する考えを示しました。

萩生田経済産業大臣は19日の閣議のあとの会見で、今月15日の岸田総理大臣との会談について問われたのに対し「わが国の資源に関わる権益が損なわれることはあってはならないという議論はした」と明らかにしました。

そのうえで、サハリン2に関する今後の対応について萩生田大臣は「引き続き、ロシア側に説明を求めるなど情報収集を行っているところで、ロシア側が設立する新会社に参画する場合の条件などが明らかになってから判断することになる」と述べました。

プーチン大統領 テヘランでトルコ大統領と会談へ

プーチン大統領はイランの首都テヘランを訪問し、19日、トルコのエルドアン大統領と軍事侵攻後、初めて対面での会談を行う予定です。

世界的な食料危機への懸念が強まる中、小麦など農産物の輸出再開を目指してロシアとウクライナ、仲介役のトルコと国連による大詰めの協議が開かれるのを前に、最終合意に向けて意見を交わす見通しです。

また、イランのライシ大統領や最高指導者ハメネイ師とも会談を行い、イランの核開発問題や欧米の経済制裁への対応が議題となる見通しで、経済など両国の戦略的な連携を強化し、欧米をけん制するものとみられます。

EU ウクライナに5億ユーロ 約700億円を追加で軍事支援へ

EU=ヨーロッパ連合は18日、ベルギーのブリュッセルで開いた外相会議で、ウクライナに対し追加で5億ユーロ、およそ700億円の軍事支援を行うことで合意しました。

EUからウクライナに対する軍事支援は、これで合わせて25億ユーロ、3500億円近くに上ります。

EUの外相にあたるボレル上級代表は、ウクライナのクレバ外相からオンラインで現地の状況について説明を受けたとしたうえで「状況は日増しに悪化している。外相たちは自由と独立のために戦うウクライナにあらゆる支援を行う必要性で一致した。ウクライナはさらなる兵器を必要としている。われわれはその兵器を供与する」と強調しました。

プーチン大統領 イラン訪れ大統領などと会談へ 欧米をけん制か

ロシアのプーチン大統領はイランの首都テヘランを訪問し、19日、ライシ大統領や最高指導者ハメネイ師と会談します。

会談はイランの核開発問題や欧米の経済制裁への対応が議題となる見通しで、アメリカのバイデン大統領が中東を歴訪したのに対し、経済など両国の戦略的な連携を強化し、欧米をけん制するものとみられます。

またテヘランでは、プーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が、軍事侵攻後、初めて対面での会談を行う予定です。

世界的な食料危機への懸念が強まる中、ウクライナ産の小麦など農産物の輸出再開を目指してロシアとウクライナ、仲介役のトルコと国連による大詰めの協議が開かれるのを前に、最終合意に向けて意見を交わす見通しです。

東部ドネツク州 2階建て建物が攻撃受け6人死亡

ウクライナの非常事態庁によりますと、東部ドネツク州のトレツクで18日、2階建ての建物が攻撃を受け、6人が死亡したということです。

SNS上で公開された写真では、建物が大きく壊れていて、がれきの中に取り残された人がいないかレスキュー隊が捜索を行う様子が写されています。

ウクライナ東部 親ロシア派支配地域に北朝鮮労働者受け入れか

ウクライナ東部2州で親ロシア派の武装勢力が事実上、支配している地域について、北朝鮮は今月13日、独立国家として承認することを決定しました。

これについて北朝鮮に駐在するロシアのマツェゴラ大使は、18日付けのロシアの新聞「イズベスチヤ」とのインタビューで「北朝鮮は国際的な舞台で常に良心に従い、自分が正しいと信じる方法で行動している」と述べ、北朝鮮の決定を評価しました。

そのうえで「技術力が高く、勤勉で、厳しい条件下でも率先して働く北朝鮮の労働者は、破壊されたインフラや施設の再建に向けて大きな力になるだろう」と述べ、インフラなどの建設のために親ロシア派の指導者が北朝鮮からの労働者を受け入れる可能性に言及しました。

海外で働く北朝鮮の労働者をめぐっては、国連安全保障理事会の制裁決議で、2019年12月までにすべての国連加盟国に対して本国に送還することを求めていて、これに違反する形で労働者が新たに派遣されれば北朝鮮の外貨の獲得につながり、核・ミサイル開発の資金源となるおそれもあります。

ウクライナ 小麦の収穫始まるも 出荷のめど立たず 農家に不安

世界有数の小麦の産地、ウクライナでは、ことしの収穫が始まっていますが、ロシア軍による封鎖で、黒海に面する南部の港からの輸出が滞っているため、出荷のめどが立たず、農家には不安が広がっています。

このうち、30年間にわたり小麦を栽培している首都キーウ近郊の農家、ビクトル・シェリメタさん(59)の、400ヘクタールの小麦畑は、黄金色に色づき、まもなく収穫が始まります。

しかし、ロシアの軍事侵攻が始まってからは出荷が止まり、依然、去年の収穫分の3割ほどにあたる900トンが倉庫に残っています。

こうした中で、ことしはおよそ2500トンの収穫が見込まれていて、シェリメタさんは、出荷の見込みが立たないまま保管場所が足りなくなるのではないかと懸念しています。

また国内では、在庫が多く残っていることから、業者の買い取り価格が通常の3分の1ほどに下落し、たとえ出荷できても赤字になる見通しだということです。

シェリメタさんは「畑から20キロ近くの場所で戦闘があり、住宅の上をミサイルが飛んでいく様子も見たが、それでも農作業を続けた」としたうえで「港の封鎖が続けば出荷できず、多くの農家が破産するだろう」と話していました。

EU アゼルバイジャンからの天然ガスの輸入 大幅増で合意

EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は18日、アゼルバイジャンの首都バクーを訪れてアリエフ大統領と会談し、アゼルバイジャンからEU加盟国への天然ガスの輸出などに関する覚書に署名しました。

ヨーロッパ委員会によりますと、アゼルバイジャンからの輸入は去年の81億立方メートルからことしは120億立方メートルに増加する見通しで、覚書では、さらに2027年までに少なくとも年間200億立方メートルに増やすことを目指すとしています。

フォンデアライエン委員長は会見で「これでロシア産ガスの供給が減る分を補うことができる。ガスの供給確保に大いに役立つ」と述べて歓迎しました。

EUはロシアへの制裁としてロシアからの石炭や石油の輸入禁止を決めましたが、天然ガスについては一部の加盟国の同意が得られる見通しが立たないことなどから、こうした措置には踏み切っていません。

一方でロシア側はEU加盟国への天然ガスの供給を減らしていて、EUにとっては次の冬に向けた天然ガスの確保と、ロシアに依存してきた調達先の多角化が急務になっています。

制裁影響で輸送されなかったパイプライン用タービンを輸送

ロシアからドイツに天然ガスを送る主要なパイプライン「ノルドストリーム」をめぐり、ロシアの政府系ガス会社ガスプロムの関係者は18日、NHKの取材に対し、カナダで修理されたあと、制裁の影響で輸送されていなかったパイプライン用のタービンが、ドイツに向けて飛行機で輸送されたと明らかにしました。

ドイツに届いたあと、数日かけてロシアに輸送される予定だとしています。

ガスプロムは、先月中旬、設備の修理に遅れが生じているなどとして供給量を大幅に減らすと発表し、今月11日からは、定期的な点検を理由に供給を停止しています。

点検が終わる予定の今月21日以降もロシア側が経済制裁を科すドイツに揺さぶりをかけるため、供給を再開しないのではないかという懸念が出ています。

これについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は17日に公開した動画で「タービンをドイツに引き渡すというカナダの決定を決して受け入れることはない」と反発しました。

そのうえで「ロシアは天然ガスを使って意図的に制裁違反を引き起こそうとしている。どの国も原則を守らなければならない」と述べ、各国に対して制裁の手を緩めることがないよう強く求めました。