韓国外務省によりますと、パク・チン外相は18日の林外務大臣との会談で、太平洋戦争中の「徴用」の問題をめぐる日本企業の韓国国内の資産の「現金化」について「『現金化』がなされる前に望ましい解決策が出るよう努力している」と伝えたということで、この問題を早期に解決する必要があるという点で一致したとしています。
また、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応では、新たな挑発には断固として対応するとしながらも対話の扉は開かれているとして、日韓両国にアメリカを加えた3か国の連携の強化を確認したということです。
さらにパク外相は、1998年の日韓共同宣言の精神で両国関係を発展させようと述べたうえで、両国間の人的交流を再び活発化させるため、ビザなし渡航など制度面の整備を呼びかけたとしています。
一方、会談の冒頭、パク外相は、安倍元総理大臣が銃撃されて亡くなったことを受け、日本国民に向けて深い哀悼の意を伝えたということです。
日韓外相会談 「徴用」めぐる問題 早期解決図ることで一致
林外務大臣は18日、就任後初めて日本を訪れた韓国のパク・チン外相と会談しました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、パク外相は、日本企業の資産が「現金化」される前に望ましい解決策が出るよう努力する考えを示し、両外相は、早期解決を図ることで一致しました。
韓国のパク外相は18日午後、日本に到着し、東京都内の外務省の飯倉公館で、4時すぎから2時間半余り、林外務大臣と会談しました。
韓国の外相による日本訪問は、およそ3年ぶりです。
会談でパク外相は、選挙の応援演説中に銃で撃たれて亡くなった安倍元総理大臣への弔意を示し、林外務大臣は謝意を伝えました。
そして林大臣が、日韓関係の発展には、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題や慰安婦問題など、両国の懸案の解決が必要だと重ねて伝えました。
これに対し、パク外相は「徴用」をめぐる問題について、日本企業の資産が「現金化」される前に望ましい解決策が出るよう努力する考えを示し、両外相は、問題の早期解決を図ることで一致しました。
一方、両外相は、ロシアによるウクライナ侵攻を非難することで一致するとともに、北朝鮮問題への対応で、一層連携していくことも確認しました。
パク外相は20日まで日本に滞在する予定で、滞在中、岸田総理大臣との会談を行う方向で調整が続けられています。