ロシア国防相 前線部隊視察 “ミサイルなど優先的に攻撃”指示

ウクライナへの軍事侵攻を指揮するロシアのショイグ国防相が前線部隊を視察し、ウクライナ軍のミサイルなどを優先的に攻撃するよう指示しました。欧米から供与された兵器で抵抗を続けるウクライナ軍の攻撃能力をそぐねらいがあるとみられます。

ロシア国防省は18日、ショイグ国防相がウクライナで戦闘を続ける前線部隊を視察し司令官から戦況の報告を受けたと発表しました。

そしてショイグ国防相が「敵側は長距離ミサイルと大砲を使い、東部ドンバス地域の住宅地や小麦畑などを攻撃している」と主張し、ウクライナ側のこうした兵器を優先的に攻撃するよう指示したということです。

ウクライナ軍はアメリカからの高機動ロケット砲システム=ハイマースをはじめ、欧米の軍事支援を受けて東部や南部で徹底抗戦を続けていて、ショイグ国防相の発言はウクライナ側の攻撃を警戒し、その能力をそぐねらいがあるとみられます。

こうした中、イギリス国防省は18日、ロシアが民間軍事会社「ワグネル」の部隊を最前線に投入しロシア軍の兵員不足などを補っているとして、特に東部ルハンシク州での最近の戦闘では「ワグネル」が中心的な役割を果たしてきたと指摘しました。

一方で
▽「ワグネル」のトップを英雄視したことで、ロシアの正規軍兵士の士気の低下につながる可能性があるうえ
▽「ワグネル」は刑務所の受刑者を雇うなどして十分な訓練を受けさせていないため、ロシアの作戦に影響を与える可能性が高いとも分析しています。