ウクライナ 検事総長と保安局長官を解任 “部下が敵対的行動”

ロシアによる軍事侵攻で激しい攻防が繰り広げられるウクライナでゼレンスキー大統領は17日、検事総長と保安局の長官を解任したことを明らかにしました。ロシアの支配地域でこれらの組織の部下がウクライナに敵対的な行動をとっていることを理由にあげています。

ウクライナ情勢をめぐってロシア国防省は17日、東部ハルキウ州のチュフイウをミサイルで空爆しウクライナ兵を殺害したほか、装甲車を破壊したと発表しました。

一方、イギリス国防省は17日南部ではロシア軍がウクライナ軍の反撃にあっていると指摘し、各地で激しい攻防が繰り広げられています。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は17日に公開した動画で、検察トップのベネディクトワ検事総長と保安局のバカノフ長官を解任したことを明らかにしました。

解任の理由について国家への反逆行為の疑いなどで651件の捜査が進行中で、検察と保安局の職員60人以上がロシアの支配地域に残り、ウクライナに敵対的な行動をとっているとしています。

ベネディクトワ検事総長はこれまでロシアによる戦争犯罪を追及する重要な任務を行ってきました。

ロイター通信はことし2月に軍事侵攻が始まって以降、ウクライナでの「政治的に最大の解任だ」と伝えています。

ロシアへの反撃態勢をめぐる政権幹部の指導力にゼレンスキー大統領が疑問符を突きつけた形で、今後、政権内の権力関係に注目が集まりそうです。