ロシア ミサイル攻撃で欧米のウクライナ軍事支援をけん制

ロシアはアメリカがウクライナに供与したロケット砲システムなどをミサイル攻撃によって破壊したと主張し、欧米によるウクライナへの軍事支援をけん制しました。
一方、欧米側はウクライナが南部で欧米の兵器を活用して反撃し、ロシア軍にとって脅威になっていると分析しています。

ロシア国防省は17日、東部ハルキウ州のチュフイウをミサイルで空爆し、ウクライナ兵を殺害したほか、装甲車を破壊したと発表しました。

さらに東部ドネツク州で、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースをミサイルで破壊したほか南部の港湾都市オデーサでは、NATO=北大西洋条約機構が供与した対艦ミサイル「ハープーン」の保管庫を破壊したと主張し、欧米によるウクライナへの軍事支援をけん制しました。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、16日発表した分析で、ウクライナ軍が、アメリカから供与されたハイマースを活用して6月下旬以降、ロシア軍の弾薬庫を標的に攻撃を行っていると指摘しました。

その上で「ロシア軍の砲撃の作戦能力を低下させている可能性が高い」と評価しています。

またイギリス国防省は17日「ウクライナ軍は、南部ヘルソン州では1か月以上、ロシア側に圧力をかけ続けてきた」として南部ではロシア軍がウクライナ軍の反撃にあっていると指摘しています。

さらにイギリス国防省は、ロシアのショイグ国防相が16日発表した軍事作戦の強化の指示は、南部での状況に対応する狙いもあるとして、南部で攻勢に転じるウクライナ軍がロシア軍にとって深刻な脅威になっていると分析しています。

犠牲となった幼女の葬儀

ウクライナ西部のビンニツァで、17日、ロシア軍によるミサイル攻撃の犠牲となった4歳の女の子の葬儀が行われました。

ビンニツァでは14日、ロシア軍によるミサイル攻撃で、子ども3人を含む24人が死亡しました。

このうち、母親と外出中にミサイル攻撃の犠牲となった4歳のリーザちゃんの葬儀が17日、街の中心部で行われ、およそ100人がひつぎを囲み、祈りをささげて、わずか4歳での死を悼みました。

葬儀のあと、たくさんのぬいぐるみも一緒に入れられたリーザちゃんのひつぎは墓地に運ばれ、父親や親族らが見守るなか埋葬されると、集まった人たちは深い悲しみに暮れていました。