「ドリルのような細菌の運動」鮮明な映像の撮影に初成功

微生物である細菌の一種が、「べん毛」と呼ばれる尾のように伸びる器官を自身にらせん状に巻きつけて、ドリルのように回転して移動する鮮明な映像を撮影することに、産業技術総合研究所などの研究グループが初めて成功し、ほかの生物への感染などに関係しているのではないかとしています。

細菌は、ひとつの細胞からできた微生物で、「べん毛」と呼ばれる細長い器官があるものは、「べん毛」を動かしたり、回転させたりして移動することが知られています。

産業技術総合研究所の菊池義智グループ長などの研究グループは、「バークホルデリア」と呼ばれる細菌のうち、昆虫の体内に共生する一種が、粘りけのある物質の中でどのように移動するか、高感度カメラを組み合わせた特殊な顕微鏡で観察しました。

すると、細菌は移動しにくくなると、「べん毛」を自身にらせん状に巻きつけ、ドリルのように回転しながら奥深くに入り込んでいく様子を初めて鮮明な映像で撮影することに成功しました。

こうしたドリルのような細菌の運動は、研究グループが最初に発表すると、ほかの細菌でも報告されるようになり、病気の原因で知られる細菌など、少なくとも6種類で確認されているということです。

菊池グループ長は「ここまでユニークな運動をするとは、教科書にも載っていないので驚いた。他の生物の体内に侵入して感染や共生をすることに関係しているのではないか」と話しています。