コロナ流行下の熱中症対応 学会が手引き公表

新型コロナウイルスが流行する中での熱中症への対応について、日本救急医学会などの学会が、マスク着用の考え方など、熱中症対策をまとめた手引きの最新版を公表しました。

15日に公表された「新型コロナ流行下における熱中症対応の手引き」は、日本救急医学会や日本感染症学会など4つの学会が、医療従事者向けに作成していたものを最新の研究成果を踏まえて改訂したものです。

手引きでは、マスクの着用については、健康な大人ではマスク着用で熱中症のリスクは上がらなかったという実験結果を紹介する一方で、高齢者や子どもなどは大人よりも熱中症になりやすいことから、マスクの着用に注意する必要があるとしました。

そのうえで、マスクを外すだけではなくエアコンや水分補給などの熱中症対策は続けるよう呼びかけています。

また、エアコンについては適切に換気を行いながら、室温が上がりすぎないようこまめに室温を調節をすべきだとしました。

このほか、熱中症と新型コロナでは、発熱や筋肉痛、頭痛やけん怠感など共通する症状も多いことから、症状が出た場合は医療機関に相談してほしいとしています。

会見した日本医科大学付属病院の横堀將司高度救命救急センター長は「医療従事者向けの手引きではあるが、マスクの着用やエアコンの効率的な使い方、コロナと熱中症の区別など一般市民も参考にしてほしい」と話していました。