「BA.5」従来のオミクロン株に比べ病原性高めか 動物実験結果

新型コロナウイルスのオミクロン株の一種で、置き換わりが進みつつある「BA.5」について、東京大学などのグループは症状を引き起こす力がこれまでのオミクロン株に比べて高まっている可能性があるとする動物などでの実験結果を発表しました。

この研究は、東京大学医科学研究所の佐藤佳教授が主宰するグループ「G2P-Japan」が正式な査読を受ける前の論文として、インターネット上で発表したものです。

グループでは、オミクロン株の「BA.2」と「BA.5」の特徴をそれぞれ再現したウイルスを作製し、培養細胞に感染させて増え方を調べたところ、24時間後には「BA.5」のウイルスは「BA.2」に比べて34倍の量に増えていたということです。

さらにハムスターに感染させる実験では、「BA.2」では体重が減少しなかったのに対し、「BA.5」では10%程度減少し、体重以外にも肺などの炎症が強まっていたということです。

グループでは、実際にヒトでの症状についてはさらに調べる必要があるとしたうえで、「BA.5」は病気を引き起こす力が同じオミクロン株の「BA.2」よりも高まっている可能性があるとしています。
佐藤教授は「ウイルスの毒性は必ずしも弱まっていくわけではない。今後もウイルスは変化していくため、注意が必要だ」と話していました。