ウクライナ 激しい攻防続く プーチン大統領は外交攻勢も強化へ

ロシア軍が、ウクライナ東部のドネツク州で攻撃を強めているのに対して、ウクライナ軍はヘルソン州など南部で反撃し、激しい攻防が続いています。一方、ロシアはプーチン大統領が来週、イランとトルコの大統領と会談を行うとするなど、外交攻勢も強めようとしています。

ロシア国防省は12日、ウクライナの東部ドネツク州を空爆し、ウクライナ軍の兵士180人を殺害し、兵器などを破壊したほか、南部オデーサ州では短距離弾道ミサイル「イスカンデル」による攻撃で、アメリカが供与した対艦ミサイル「ハープーン」を破壊したと発表しました。

ロシア軍はドネツク州の完全掌握を目指して攻撃を強めていて、ウクライナ非常事態庁は12日、今月9日に行われた東部ドネツク州のウクライナ側の街へのミサイル攻撃で、これまでに子ども1人を含む45人が死亡したと発表し、救助活動が続いています。

これに対しウクライナ軍は、ロシアが掌握したと主張する南部ヘルソン州で反撃に転じているとみられ、ロイター通信によりますと12日、ロシア側の弾薬庫などを攻撃したということです。

この攻撃でウクライナ軍は、ロシア側に52人の死者が出たとしていますが、ロシア側は死者は7人で、市民や民間施設にも被害が出たと非難しています。

プーチン大統領 来週イランとトルコの大統領と会談へ

一方、ロシア大統領府は12日、プーチン大統領が来週19日にイランの首都テヘランを訪問し、ライシ大統領と首脳会談を行うと発表しました。

プーチン大統領はテヘランを訪れるトルコのエルドアン大統領とも会談に臨むほか、3か国の首脳会談も行う見通しです。

プーチン大統領としては、欧米との対立が深まる中で、友好関係にある国々との連携を強調したい思惑で外交攻勢も強めようとしています。