ウクライナ 激しい攻防続く プーチン大統領は来週イラン訪問へ

ロシア軍が、ウクライナ東部のドネツク州で攻勢を強めているのに対し、ウクライナ軍はヘルソン州など南部で反撃し、激しい攻防が続いています。
一方、プーチン大統領が来週、中東イランを訪問することになり、友好国との連携を強調し、欧米をけん制する思惑があるとみられます。

ロシア国防省は12日、ウクライナの東部ドネツク州を空爆し、ウクライナ軍の兵士180人を殺害し、兵器などを破壊したほか、南部オデーサ州では短距離弾道ミサイル「イスカンデル」による攻撃で、アメリカが供与した対艦ミサイル「ハープーン」を破壊したと発表しました。

ロシア軍は、ドネツク州の完全掌握を目指していて、イギリス国防省は12日、ロシア軍が州内のウクライナ側の拠点、スロビャンシクとクラマトルシクに向かう幹線道路を攻撃していると指摘しています。

これに対し、ロイター通信によりますと、ウクライナ軍は12日、ロシアが掌握したと主張する南部ヘルソン州で、ロシア側の弾薬庫などを攻撃したとし、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム=ハイマースが使われた可能性があると伝えています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も11日、ウクライナ軍は南部ヘルソン州と南東部ザポリージャ州で、ロシア側の弾薬庫と指揮所を攻撃していると指摘し、ウクライナ軍は南部で反撃を続けています。

一方、ロシア大統領府は12日、プーチン大統領が来週19日にイランの首都テヘランを訪問し、ライシ大統領と首脳会談を行うと発表しました。

プーチン大統領は、テヘランを訪れるトルコのエルドアン大統領とも首脳会談に臨むほか、3か国の首脳会談も行われる見通しで、友好関係にあるイランやトルコとの連携を強調し、ロシアへの対抗姿勢を強める欧米をけん制する思惑があるとみられます。

ロシアとトルコとの会談では、ロシア軍の封鎖でウクライナ南部の港から穀物の輸出ができない問題についても議論が交わされるとみられ進展があるか注目されます。

また、13日、仲介役のトルコで、ロシアとウクライナ、トルコ、国連の4者による軍などの実務者レベルの会合が開かれる予定で、このなかでもウクライナからの穀物の輸出について協議される見通しです。