攻防続くウクライナ “犠牲になった市民は5000人超” 国連

ロシア軍は、ウクライナ東部のドネツク州で支配地域を徐々に広げていると見られますが、これに対してウクライナ側も反撃を強めています。
こうした中、国連によりますとウクライナで犠牲になった市民は5000人を超え今後、さらに増えることが懸念されています。

ロシア軍はウクライナ東部のドネツク州で砲撃やミサイルによる攻撃を強めていて、ウクライナ非常事態庁によりますと、9日にはウクライナ側の町で5階建ての集合住宅がミサイルで攻撃され、31人の死亡が確認されました。

一方、ロシアのインターファクス通信は、ロシアが掌握したとする南部ヘルソン州の町で、ウクライナ側の攻撃により子どもを含む市民7人が死亡したと伝えました。

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まったことし2月24日から今月11日までに、ウクライナで子ども343人を含む少なくとも5024人の市民が死亡したとしていて、市民の犠牲は今後、さらに増えることが懸念されています。

こうした中、イギリス国防省は12日、ロシア軍の動きについて「ウクライナ軍に対して軍事的なプレッシャーをかけながら、近い将来のさらなる攻勢に向け、軍を再編成しているものと見られる」という分析を示しました。

一方で、ロシア国防省が民間の軍事会社に人材の採用を頼るなど、これまでになかった方法で兵員の確保を進めていると指摘した上で「もしこの動きが本当なら、著しい死傷者が出ている兵の補充が困難になっていることを示していると思われる」として、ロシア側が兵員の補充に苦慮している可能性を指摘しました。