日米財務相会談始まる ロシアへの制裁強化など協議

日本を訪れているアメリカのイエレン財務長官と鈴木財務大臣との会談が12日午後から行われていてイエレン財務長官はウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁について協議したいと述べました。

イエレン財務長官は、今週15日からインドネシアで開かれるG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議に出席するのに合わせて、去年の就任以来、初めて日本を訪れています。

鈴木財務大臣とイエレン財務長官との会談は午後2時前から財務省内で始まりました。

会談の冒頭、鈴木財務大臣は「日本とアメリカが連携を密にし、困難な課題の解決のために中心的な役割を果たすことが重要だ」と述べました。

これに対し、イエレン財務長官は「両国政府は、世界が直面する課題に関して、共通の見解や利害を共有しており、共同で連携することで実効性がさらに高まる」と述べました。

そのうえで、先月下旬に日米の首脳間で一致した、G7で連携してロシア産の石油の取り引き価格に上限を設ける方針について、「ロシアの軍事資金を減らすとともにエネルギー価格の高騰という課題にも対応できる策だと考えている」と述べ、ロシアへの制裁強化の具体的な対応について議論したいという考えを示しました。

外国為替市場でおよそ24年ぶりの円安ドル高の水準となり、日本経済への悪影響が懸念されるなか、日本としては通貨当局間で緊密な意思疎通をはかっていくことを改めて確認したい考えで、為替市場についてどのような意見が交わされるのか注目されます。

イエレン財務長官「国民の皆様にお悔やみを申し上げる」

日本を訪れているアメリカのイエレン財務長官は、鈴木財務大臣との会談の冒頭で、銃撃されて亡くなった安倍元総理大臣について「非常に大きな業績を残し、日本経済の復活を果たして、世界での日本のリーダーシップを取り戻した」と功績をたたえたうえで「悲しみに陥っておられる国民の皆様に対しお悔やみを申し上げる」と述べて、哀悼の意を伝えました。