イランがロシアに無人航空機 数百機供与の準備との見方 米高官

ウクライナでは、ロシア軍が東部ドネツク州の集合住宅をミサイルで攻撃するなど攻勢を強めていて、市民の犠牲が広がっています。こうした中、アメリカ・ホワイトハウスの高官は11日、中東のイランがロシアに対して、数百機の無人航空機を供与する準備をしているという見方を示しました。

ウクライナ東部のドネツク州では、ロシア軍のミサイルにより、クラマトルシクの南東の町で5階建ての集合住宅が攻撃され、ウクライナ当局によりますと33人の死亡が確認されました。

さらにロシア軍は東部ハルキウ州でも攻勢を強めていて、ハルキウ市内のショッピングセンターなどが被害を受け、地元の検察当局によりますと、6人が死亡するなど市民の犠牲が広がっています。

一方、イギリス国防省は11日、ロシア軍の状況について兵士の休息の計画が欠如し、身体面や精神面で負担を訴える兵士が相次いでいるという分析結果を公表しました。

こうした中、アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は、11日の記者会見で「イラン政府がロシアに対し、武器を搭載できるものを含めた、数百機の無人航空機を供与する準備をしている」と述べました。

そのうえで、サリバン補佐官は、イランがロシア軍に対して今月中にも無人航空機の使用方法の訓練を始めるという見方も示しました。

サリバン補佐官はロシアがイランに軍事支援を頼る状況について、ロシアがウクライナでの戦闘で武器を失っていることを示すものだと分析しています。