世界各地で猛暑 観光や農業にさまざまな影響 山火事も相次ぐ

ことしは異例の早さで梅雨が明け、先月から猛暑が続いていますが、世界各地でも例年より早く猛暑に見舞われ、さまざまな影響が広がっています。

インドやパキスタンでは、ことしは例年の2か月ほど早い3月ごろから熱波が到来し、5月には各地で50度前後の高温を記録しました。

干ばつで小麦の収穫が落ち込むなど、ロシアの軍事侵攻の影響による食料危機がさらに深刻化するのではという懸念も広がりました。
ヨーロッパやアメリカでも一足早く熱波に見舞われ、先月以降各地で40度を超える記録的な暑さとなっています。

スペイン南部の都市では今月10日、最高気温が43度に達しました。

またイタリア北部の農業地帯では、雨が降らない日が続いたため過去70年で最悪の干ばつとなっていて、政府は今月4日、非常事態宣言を出しました。

フランス 川下り観光に影響

熱波の影響はヨーロッパでも深刻で、このうちフランスでは、南部を中心に先月最高気温が40度を超える日が相次ぐなど、記録的な暑さになっています。

降水量も例年に比べて極端に少なくなっていて、フランスとスイスの国境地帯にあるドゥー川で行われている川下り観光にも影響が出ています。

この地域の先月1か月の降水量は、例年の10分の1に当たる15ミリほどしかなく、川の水量が急速に減り川底が見えているところもあります。

川下りのいちばんの呼び物は、27メートルの落差をダイナミックに流れ落ちる滝ですが、今はほとんど流れはありません。

遊覧船の船着き場も、ふだんは6メートルある水かさが40センチほどに下がって、船をつけることができなくなっていて、運航会社の担当者は、今は船の運航を見合わせていることを観光客に説明していました。

担当者は「観光客のいちばんのお目当ては滝です。やはり滝がなければ魅力が薄れてしまいます」と話していました。

また、カヌーを貸し出している業者によりますと、夏のシーズン中は、一日に60人から70人の客が利用しているということですが、水量が極端に減ったところもあり、営業できない状態だということです。

業者の男性は「このまま水不足が続くことを恐れています。このビジネスを続けられないかもしれません」と話していました。

アメリカ トマトの生産に打撃

熱波の影響は、アメリカにも及んでいます。

西部カリフォルニア州では、ピザやパスタなどのトマトソースに使われる、アメリカ産の加工用トマトのうち90%を生産しています。

しかし、州の中部のロスバノスでは、先月38度前後に達する日が続き、今月も猛暑が予想されています。

30年以上にわたりトマトを作っている、アーロン・バルセロスさん(57)の畑でも、熱波の影響で一部のトマトは枯れたり、腐ったりしてしまいました。

今育てているトマトの大半がおよそ1か月後に収穫の時期を迎えますが、大きな打撃だということです。

バルセロスさんは農業用水が不足すると予想し、作付面積を去年と比べておよそ40%減らしたため、本来トマトの苗を植えるはずだった畑の多くが、ことしはさら地のままになっています。

バルセロスさんは「暑くなりすぎると、苗を守るためにトマトの花が成長をやめてしまい、実がならなくなってしまうので必要な収穫量を確保できなくなる。店に行って、ピザソースやケチャップが見当たらないという日がやってくるかもしれません」と話していました。

アメリカ 各地で山火事相次ぐ

猛暑が続く中、アメリカの各地で山火事が相次いでいます。

このうち、カリフォルニア州では先週、アメリカ有数の観光地ヨセミテ国立公園で火が燃え広がり、公園の一部が閉鎖されました。

また、公園を訪れた人たちに避難が呼びかけられ、消防車や航空機も出て消火活動に当たりました。