安倍元首相銃撃 宗教団体が会見 “容疑者の母親が信者”

安倍元総理大臣が銃で撃たれ死亡した事件で、逮捕された容疑者が警察の調べに対し「特定の宗教団体に恨みがあった」などと供述していることを受け、この宗教団体の代表が都内で会見を開き、容疑者が団体に在籍した記録はないものの、母親が信者であることなどを明らかにしました。

また逮捕された容疑者が宗教団体をめぐり「岸信介元総理が団体の拡大に貢献したと思い、その孫である安倍元総理を殺害しようと考えた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。警察当局は、一方的な思い込みから襲撃したとみて詳しいいきさつを調べています。

容疑者「母親が団体にのめり込み…」

この事件で逮捕された山上徹也容疑者(41)は、これまでの警察の調べに対し「特定の宗教団体に恨みがあり、安倍元総理がこの団体と近しい関係にあると思いねらった」という趣旨の供述をしているほか「母親が団体にのめり込み多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」といった趣旨の話をしていることが分かっています。

宗教団体会長「大変重く受け止めている」

これを受けて11日、「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会の田中富広会長が記者会見を開きました。

田中会長は冒頭「安倍元総理のご逝去の報に接し心からの哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りいたします。このたびの蛮行はあってはならない行為で、宗教指導者の1人として大変重く受け止めている」と述べました。

そして、山上容疑者について、信者ではなく、過去も信者だった記録はないことを明らかにしました。

一方、母親については、1998年ごろ入会した信者で2009年ごろから一時姿を見せなくなったものの、ここ半年は月に1回程度、教会の行事に参加していたことを明らかにしました。
また、田中会長は「今回の事件後に調べたところ、2002年ごろに母親が経済的に破綻したという情報を得た。破綻に至った原因などは把握し切れていないが、この家庭に高額な献金を要求した事実は記録上残っていない」と述べました。

安倍元総理大臣と団体との関係については「友好団体が主催する行事に元総理からメッセージが送られてきたことがある」としたうえで「安倍元総理は団体の総裁が主導されている世界平和運動に賛意を表明して下さっていた。ただ、われわれの団体の会員として元総理が登録されたことも顧問になられたこともない」と述べました。

田中会長は「教会に対する恨みや、そこから安倍元総理の殺害に至るにはとても大きな距離があり、私たちも困惑している。警察が動機の解明に向け全力を挙げているので、要請があれば協力していきたい」と話しました。

容疑者「岸信介元総理が団体の拡大に貢献したと思い…」

警察のこれまでの調べで、山上容疑者は「特定の宗教団体に恨みがあり、安倍元総理が近しい関係にあると思って狙った」と供述していることが分かっています。

この宗教団体をめぐり、山上容疑者が「岸信介元総理が海外から当時の教祖を招くなどして日本での信仰が広がったと思い、その孫である安倍元総理を殺害しようと考えた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かりました。

11日記者会見した宗教団体の会長は、岸元総理大臣と信仰の広がりについて「岸元総理が何か特別な計らいをしたとか、特別な影響を与えているかということはまず無いと思う」と述べました。

また、山上容疑者は宗教団体と安倍元総理大臣が近しいと考えた理由について「安倍元総理は団体の関連組織にビデオメッセージを送るなど付き合いが深いと思った」という趣旨の話をしているということです。

これについて宗教団体の会長は、会見で「友好団体が主催する行事に元総理からメッセージが送られてきたことがあるが、我々の団体の会員として元総理が登録されたことも顧問になられたこともない」と述べました。

警察当局は、一方的な思い込みから安倍元総理大臣を襲撃したとみて対象を変更した時期など詳しいいきさつを調べています。

容疑者 高校時代は応援団

関係者によりますと、山上徹也容疑者は高校時代、県内有数の進学校で応援団に所属していました。

卒業アルバムにあるクラブ活動のコーナーでは、応援団のほかのメンバーとともに腕を組み、正面を向いて写真におさまっています。また、野球部が甲子園に出場した際の写真を掲載したコーナーでは、応援団の一員としてアルプススタンドでチームを応援する様子も写っています。

高校の同級生は「クラス内ではおとなしくて目立たない、優等生タイプで、学校内でのトラブルなどもありませんでした。1年生のときから学校の応援団に所属していて運動部の大会などでは、応援に来ていました。教室でのもの静かな様子とのギャップに驚いた記憶があります」と話していました。