ウクライナ東部 集合住宅のミサイル攻撃 少なくとも15人死亡

ロシア軍が完全掌握を目指すウクライナ東部ドネツク州では、集合住宅がミサイルで攻撃され、ウクライナ側は少なくとも15人が死亡したとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「残念ながら最終的な数ではない」と述べ、さらに死者が増えるおそれがあるという認識を示しました。

ロシア軍が完全掌握を目指すウクライナ東部ドネツク州では9日夜、ウクライナ側の拠点、クラマトルシクから30キロほど南東の町で、5階建ての集合住宅がミサイルで攻撃されました。

ウクライナの非常事態庁は、少なくとも15人が死亡、5人がけがをしたと明らかにし、救出活動を続けていると説明しました。

10日に撮影された映像では、救助隊ががれきの中から男性を発見し、引っ張り出す様子が確認できます。

救出された男性は、担架に乗せられて運ばれていきました。

ウクライナの国営通信は10日、大統領府のティモシェンコ副長官の話として、子どもを含む23人ががれきの中に残されていると伝えています。

ゼレンスキー大統領は、10日に公開した動画で「現時点で死者のリストに15人の名前があるが、残念ながら最終的な数ではない」と述べ、さらに死者が増えるおそれがあるという認識を示しました。

そして「このミサイル攻撃を指示し一般の住宅地を狙うことは、完全に故意の殺人だ」とロシア側を非難したうえで「すべてのロシアの殺人者にとって、罰は避けられない」と述べ、ロシア軍による戦争犯罪を徹底的に追及する考えを強調しました。

ロシア国防省は10日、ドネツク州の別のウクライナ側の拠点、スロビャンシクも攻撃し、ウクライナ側の兵士を最大100人殺害したとしたうえで、アメリカ製のりゅう弾砲の弾薬やロケット弾などを破壊したと発表しました。

ロシア軍は兵員や装備品を補充し、部隊の再編も行っているもようで、今後も砲撃を続けながら、ドネツク州の拠点の都市への大規模な攻勢に向けた準備を加速させるものとみられます。