ロシア軍 部隊再編し大規模攻勢か 戦闘さらに激化の可能性も

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の完全掌握に向け、兵員の補充など部隊の再編を行ったうえで、大規模な攻勢に乗り出すとみられていて、今後戦闘がさらに激しさを増す可能性が出ています。

ロシア国防省は9日も各地でミサイル攻撃を続けていて、東部のドネツク州やハルキウ州、南部のミコライウ州、さらに中部のキロボフラード州などでウクライナ軍の武器庫や燃料庫といった軍事インフラを破壊したと発表しました。

ウクライナ当局によりますと、ゼレンスキー大統領の出身地の中部のクリビーリフでも9日、ロシア軍の多連装ロケットシステムによるとみられる砲撃があり、女性2人が死亡したということです。

SNSで公開された、着弾の瞬間の映像では、せん光とともに大きな爆発音が響き渡り、市民が屋内に避難していました。
ドネツク州の完全掌握を目指すロシア軍は今後、兵員や装備品を補充し、部隊を再編したうえで、拠点都市への大規模な攻勢に乗り出すとみられています。

ロシア軍の部隊について、イギリス国防省は9日「ロシアは国中から予備の部隊を移動させ、将来の攻撃作戦のためウクライナの近くに集めている」と分析していて、今後、戦闘がさらに激しさを増す可能性が出ています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、9日に公開した動画のメッセージで、ロシア軍の攻撃により各地で死傷者が出ているとしたうえで「ドンバスでのロシア軍砲兵部隊の残忍な攻撃は一日たりともやまない。このようなテロ行為を本当に止めることができるのは高精度かつ強力な兵器だけだ」と述べました。

そして、アメリカの国防総省が追加の軍事支援を行うと発表したことに謝意を示し、ロシア軍への抵抗を続ける姿勢を強調しました。