経済危機のスリランカ 大統領が辞任へ 政府への抗議広がる

インド洋の島国・スリランカのラジャパクサ大統領は、今月13日に辞任する意向を議会に伝えました。経済危機が続くスリランカでは9日、最大都市のコロンボなどで政府に対する大規模な抗議活動が広がりデモ隊の一部が大統領の公邸を占拠するなど、政府の責任を追及する声が高まっていました。

スリランカは膨大な借金の返済で外貨が不足して経済危機に陥り、政府に対する不満が高まっています。

9日は最大都市のコロンボなどで大規模な抗議活動が広がり、中心部の通りは国旗を掲げた参加者で埋め尽くされました。

デモ隊の一部はゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の公邸を占拠しましたが、大統領は事前に公邸を出て不在でした。一連の抗議活動では治安部隊との衝突も起き、病院関係者によりますと少なくとも50人以上がけがをして手当てを受けたということです。

こうした中、スリランカ議会の議長は9日、ラジャパクサ大統領が今月13日に辞任する意向を示したと述べました。

スリランカではことし3月以降、大統領や政府の責任を追及する抗議行動が相次ぎ、5月には現職のラジャパクサ大統領の兄で元大統領のマヒンダ・ラジャパクサ首相が辞任するなど、政情不安が続いていました。