米中外相会談 対話の継続で一致も台湾めぐり激しい応酬か

アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相はインドネシアで会談し、両国の競争が衝突に発展しないよう対話を続けることで一致しました。

一方で台湾をめぐって、アメリカ側は中国が挑発的な言動を強めているとして懸念を伝えたのに対し、中国側は「内政干渉だ」と応じ、激しい応酬が行われたものと見られます。

ブリンケン国務長官と王毅外相の会談は、インドネシアのバリ島で9日、5時間余りにわたって行われました。両外相の対面での会談は去年10月以来で、ことし2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降初めてです。

会談のあとブリンケン長官は記者会見し「会談は有益かつ率直で建設的だった。われわれは米中関係や競争を責任を持って管理するよう取り組んでいく」と述べました。

一方、中国外務省によりますと、王外相は会談で「矛盾や相違を適切に管理し、問題の解決に努めることが必要だ」と述べたということで、双方は両国の競争が衝突に発展しないよう対話を続けることで一致しました。

ただ、台湾をめぐってブリンケン長官は「台湾海峡の平和と安定の維持が極めて重要だと伝えた」と述べ、中国が挑発的な言動を強めているとして深い懸念を伝えたとしています。

これに対し王外相は「中国の主権と領土の一体性を尊重し、内政干渉はやめるべきだ」と応じたということで、激しい応酬が行われたものと見られます。

また、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアをめぐり、ブリンケン長官は「中国がロシアと連携していることに懸念を伝えた。中国はロシアの側に立ち、そのプロパガンダを増幅させている」と述べ、ロシアを支援しないよう求めたことを明らかにしました。