米中外相会談始まる 対面ではロシアのウクライナ侵攻後 初めて

アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相の会談がインドネシアで始まりました。

両外相の対面での会談は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降初めてで、米中関係やウクライナ情勢、それに台湾などをめぐって意見が交わされているものとみられます。

アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相の会談は、日本時間の9日午前10時半すぎ、インドネシアのバリ島で始まりました。

会談に先立ちブリンケン長官は「アメリカと中国の関係は複雑かつ重大だ。生産的かつ建設的な会談となることを楽しみにしている」と述べました。

一方、王外相は「中国とアメリカは大国として正常な交流を保つ必要がある。双方の努力によって両国関係を正常な軌道に戻すことが必要だ」と述べました。

両外相が対面で会談するのは去年10月以来で、ことし2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、初めてです。

会談ではインド太平洋地域で米中両国のせめぎ合いが激しさを増す中、偶発的な衝突を回避するため意見が交わされているものとみられます。

また、ロシアによる軍事侵攻が長期化するウクライナの情勢や台湾についても議論が行われているものとみられます。

ことし後半にアメリカは中間選挙を、中国は共産党大会の開催をそれぞれ控える中、ともに国内の政治情勢を重視する姿勢を強めていくとみられ、バイデン大統領が近く行う考えを示している米中の首脳会談に向けて、どのような調整が進められるのかも注目されています。