ロシア軍 ドネツク州完全掌握へ部隊再編 拠点都市の攻略目指す

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は、東部ドネツク州の完全掌握に向け部隊の再編を行い、拠点都市の攻略を目指すものとみられます。
一方、南部ではウクライナ軍の反撃もあるとの分析もあり、一進一退の攻防が続いています。

ウクライナへの侵攻を続けるロシア国防省は8日、南部のミコライウ州やオデーサ州、東部のドネツク州やドニプロペトロウシク州など各地をミサイルで攻撃し、弾薬庫や兵器などを破壊したと発表しました。

またロシア軍は、東部ドネツク州の完全掌握に軍事作戦の重点を移しています。

戦況を分析するイギリス国防省は8日、「ロシア軍の最前線からおよそ8キロ、西にあるドネツク州のシベルシク方向に軍の装備を集中させているようだ。新たな攻撃作戦に乗り出す前に部隊は補充のため一時的に休止している可能性がある」として、本格的な攻勢を前に、部隊の再編を行っていると指摘しています。

そのうえで、ロシア軍は今後、州内のウクライナ側の重要拠点、スロビャンシクとクラマトルシクの攻略に向け、ロシア側の最前線との間に位置するシベルシクが当面の戦術的な目標になる可能性があると分析しています。

一方、イギリス国防省は、「南部ヘルソン州の南西部ではウクライナ軍が徐々に前進している」として、ウクライナ側が反撃する動きがみられると指摘していて、一進一退の攻防が続いています。

プーチン大統領 経済制裁めぐり欧米側を強くけん制

こうした中、ロシアのプーチン大統領は8日、クレムリンでエネルギー関係の会合を開き、「ロシアに対し、悪意のある国々が行った電撃的な経済制裁はもちろん失敗した」と述べ、強気の姿勢を示しました。

また、「ヨーロッパ諸国は、ロシア産からの代替エネルギーを求めているが、価格の高騰につながるだろう。さらなる制裁は、世界のエネルギー市場により深刻で破滅的な結果をもたらすかもしれない」と述べ、欧米側を強くけん制しました。