コロナ後遺症対応の医療機関 周知する都道府県 22%にとどまる

新型コロナウイルスの後遺症について、対応できる医療機関を周知しているという都道府県などは、およそ5分の1にとどまっていることが厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省は先月、後遺症への対応について都道府県と、保健所を設置している政令指定都市など、合わせて157の自治体すべてにアンケートを行いました。

それによりますと、すべての自治体がコールセンターなどの相談窓口を設けていた一方、後遺症に対応できる医療機関のリストを作成して、ホームページや自治体の窓口で周知していたのは22%でした。

また
▽受診先として指定している医療機関があると回答したのは20%
▽住民から受診先の相談があった場合に対応できる医療機関を伝えているのは59%でした。

厚生労働省は「後遺症については、医療従事者向けの診療の手引も作成していて、一般の医療で対処できるものが少なくない。症状に悩む人たちが、かかりつけ医や、地域の医療機関にスムーズにつながるよう取り組みを進めたい」と話しています。

専門家「正しい情報を国や自治体がしっかり発信を」

後遺症の実態を調査する国の研究班で代表を務めた高知大学の横山彰仁教授は「不確実な治療法などいいかげんな情報に振り回されている患者もいるので、正しい情報を国や自治体がしっかり発信する必要がある。かかりつけ医にも後遺症は症状が極めて多様だと理解してもらい、患者に寄り添うよう啓発していくことが必要だ」と指摘しています。

また、後遺症への対策については「感染対策をきちんと行うことが大切だ。ワクチン接種によって後遺症が出る頻度が減ることも分かっているので、予防のためにも接種が進んでほしい」としています。