G20外相会合 米ロともに対面で出席予定 ウクライナ巡る議論は

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、初めてとなるG20=主要20か国の外相会合が7日からインドネシアで開かれます。

ロシアからはラブロフ外相が対面で出席する予定で、ウクライナ情勢を巡り、G20としてどのような議論を行えるかが焦点となります。

G20の外相会合は、7日と8日の2日間にわたってインドネシアのバリ島で開かれ、ことし2月にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して以降初めてG20の外相が集まり意見を交わします。

ロシアからはラブロフ外相が対面で出席する予定のほか、アメリカのブリンケン国務長官も対面で出席するということです。

また、G20のメンバーではないものの、ウクライナのクレバ外相も招待されています。

会合では、ウクライナ情勢が主要な議題になる見通しで、8日、全体で集まり、世界的なエネルギー価格の高騰や懸念が高まる食料危機への対応などについて議論が行われるとみられます。

ロシアへの対応を巡っては、G20のメンバーの中で、考えや立場が大きく異なり、アメリカをはじめとする欧米各国はロシアに制裁を科して厳しく非難していますが、中国はロシアへの制裁に反対する姿勢を示しています。

今回の会合では、ロシアも参加するため、各国の主張が激しく対立することも予想され、G20としてどのような議論を行えるかが焦点となります。

ロシア外務省「世界の利益のために決定がなされるべき」

ロシア外務省は6日、G20=主要20か国の外相会合を前に声明を発表しました。

この中で、「ロシアはG20を多国間による統治のための効果的なメカニズムとみていて世界の利益のために決定がなされるべきだ」としてG20の枠組みを重視する考えを強調しています。

そのうえで、「ロシアは食料とエネルギーの安全保障の強化に貢献していて、ことしは、およそ5000万トンの穀物を輸出する予定だ。また、石油や石油製品、天然ガスを輸出する地域を拡大していく。欧米の違法で一方的な制裁によって、食料や肥料、燃料の不足が深刻化していて、その影響の矛先が、発展途上国に向かっている」として、欧米のロシアへの制裁が世界の食料やエネルギー事情を悪化させていると批判しています。

また、11月に開かれるG20サミットについて、ことしの議長国のインドネシアに対し、プーチン大統領が参加する意向をすでに伝えたと表明する一方で、参加の形式は、国際情勢や新型コロナなどの感染状況を見極め検討していくとしていて、オンラインでの参加の可能性も示唆しています。

G20 ロシアへの制裁など巡り対応大きく異なる

G20=主要20か国のメンバーの間では、ロシアへの制裁などを巡り対応が大きく異なっていて、今回の会合でどこまで実質的な議論ができるかが課題となります。

G20のうち、アメリカ、イギリス、日本などのG7=主要7か国と韓国、オーストラリア、EU=ヨーロッパ連合は、ロシアに対する制裁を続けています。

アメリカは、ロシアからの原油や天然ガスの輸入を禁止するなどの経済制裁を科していて、ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの締めつけを強めようとしています。

さらに、先月、G7は、首脳が集まるサミットでロシアを厳しく非難し、各国が結束して対応する姿勢を確認しました。

一方、中国やインド、それに議長国のインドネシアなどは、ロシアへの制裁は行っていません。

特に中国は、ロシアへの制裁に反対する姿勢を示していて、貿易をこれまで通り続けるとしています。

中国がことし5月にロシアから輸入した原油と液化天然ガスの量は去年の同じ月と比べてそれぞれ50%あまり増えています。

ロシアへの対応が各国で大きく異なるなかで、今回の会合でどこまで実質的な議論ができるかが課題となります。