【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア 伝統的な友好国々との連携を確認

ロシア大統領府は6日、プーチン大統領がスリランカのラジャパクサ大統領と電話会談を行ったと発表しました。
電話会談では「貿易や経済協力、特にエネルギーや農業分野について話をした」としたうえで「伝統的に友好的なスリランカとの関係の発展を確認した」と強調しています。
ウクライナ情勢をめぐり、欧米がロシアに経済制裁を科し、ウクライナへの軍事支援を強めるなか、ロシアは、中国やインドなど、伝統的に友好関係にある国々との連携を確認し、対抗しようとしています。
G20=主要20か国の外相会合に出席するため現在、インドネシアにいるロシアのラブロフ外相は、6日は訪問先のベトナムでブイ・タイン・ソン外相と会談しました。
そして旧ソビエト時代から兵器の売却などで結び付きが深い両国の、今後の連携を確認しました。
ラブロフ外相は、インドネシアで始まるG20外相会合とは別に、中国やトルコ、それにブラジルやメキシコ、南アフリカといった新興国の外相と会談するとみられています。
G20を前にロシア外務省は声明を発表し「ロシアは、食料とエネルギーの安全保障の強化に貢献している。欧米の、違法で一方的な制裁によって、食料や肥料、それに燃料の不足が深刻化し、その影響の矛先が、発展途上国に向かっている」として、欧米の制裁が世界の食料やエネルギー事情を悪化させていると批判しています。

ゼレンスキー大統領「パートナーからの兵器が機能し始めた」

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、新たな動画を公開し「パートナーから受け取った兵器が非常に強力に機能し始めた。ロシア軍の損失は拡大し、補給もますます
困難になるだろう」と強調しました。
一方で「南部の占領されている地域では、SNSやYouTubeへの接続が遮断されている。ロシア軍は人々が真実を知る可能性を封じている」と述べ、ロシア側を強く非難しました。
さらにゼレンスキー大統領は「現在、スロビャンシクの近くなどで最も激しい攻防が起きている。占領者たちは彼らの兵器の優位性が永遠に続くとは考えないほうがいい」として、抗戦を続ける姿勢を示しました。

軍事侵攻背景の価格高騰で約7100万人が貧困状態に

UNDP=国連開発計画が7日に公表した報告書によりますと、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景としたエネルギーや食料の価格高騰によって、発展途上国では貧困層の生活に重大な影響が及ぶ懸念があるとしています。
とりわけロシアやウクライナと地理的に近い中央アジアなどや、食料などを輸入に頼るアフリカの国々では、市民生活が圧迫されているうえ、政府も財政難に陥って十分な対策がとれなくなっているということです。
そして、こうした国々を中心にことし3月からの3か月間で、新たにおよそ7100万人が一日3.2ドル未満で暮らす貧困状態に陥ったと指摘しています。
UNDPのシュタイナー総裁は「すべての発展途上国は、パンデミックや多額の負債に加え、食料価格の上昇とエネルギー危機への対応に苦心し、世界から取り残されてしまう危機に直面している」として、国際社会に対して債務の返済を猶予するなどの支援を呼びかけています。

経済危機のスリランカ プーチン大統領に支援求める

経済が危機的な状況に陥っているインド洋の島国・スリランカ。
ラジャパクサ大統領は6日、みずからのツイッターに「ロシアのプーチン大統領と非常に生産的な話し合いをした。これまでのすべての支援に感謝するとともに、現在の困難な経済状況を打ち負かすため、スリランカに燃料を輸入するための支援を求めた」と投稿しました。
また話し合いでは、現在停止しているロシアの旅客便の運航についても再開を求めたとしています。

サハリン2めぐり ロシア外務省「日本側から問い合わせはない」

ロシアのプーチン大統領が事業主体をロシア企業に変更するよう命じる大統領令に署名した石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」をめぐって、ロシア外務省のザイツェフ情報局次長は6日、定例の記者会見で、「サハリン2」をめぐり日本側からの問い合わせにいつどのように回答するのかという質問に対し、「日本側から問い合わせを受け取っていないので答えるのは時期尚早だ」と述べました。
ロシアは日本が経済制裁を強めていることに反発していて、「サハリン2」への出資を継続するかなど対応を求められている日本側をけん制するねらいがあるものとみられます。

米戦争研究所「ロシアは東部2州にとどまらぬ支配目指している」

ウクライナへの侵攻についてプーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は4日、「特別な軍事作戦の目標は達成される」と強調したうえで、ウクライナの「非軍事化」や「中立化」などを目標に掲げました。

これについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5日に発表した分析で「プーチン大統領が侵攻当初の2月に掲げた目標から変わっておらず、これはロシアが依然としてゼレンスキー政権の打倒や、東部2州にとどまらない領土の支配を目指していることを示唆している」として、プーチン政権は東部2州を掌握しても侵攻を続けるだろうという見方を示しました。

イギリス国防省「ロシア軍部隊 スロビャンシクの北16キロに」

戦況を分析しているイギリス国防省は6日、ロシア軍の部隊がスロビャンシクの北およそ16キロに迫っているとして、今後、スロビャンシクが主戦場になるという見通しを示しました。

ドネツク州知事 “ロシア軍が市場を砲撃 少なくとも2人が死亡”

ドネツク州のキリレンコ知事はSNSで、ロシア軍が5日、州内のウクライナ側の拠点の1つスロビャンシクの中央市場を砲撃し、少なくとも2人が死亡、7人がけがをしたと発表しました。そのうえで「ロシア軍は市民が集まる場所をわざとねらっている。完全なテロだ」と非難しました。

ロシア国防省 米供与のハイマース2基をミサイル攻撃で破壊と主張

ロシア国防省は6日、ドネツク州でウクライナ側の拠点となっているクラマトルシク近郊で、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマース2基をミサイル攻撃で破壊したと主張するなど、欧米の軍事支援を強くけん制していると見られます。

ウクライナ軍 “ハイマースは破壊されていない”

ロシア国防省が、アメリカがウクライナに供与した高機動ロケット砲システム=ハイマース2基をミサイル攻撃で破壊したと主張したのに対し、ウクライナ軍は6日、声明を発表し「ロシア軍の発表は現実に即したものではなく、フェイク以外の何物でもない」として、ハイマースは破壊されていないと反論しています。

きょうからG20外相会合 インドネシアで開催

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、初めてとなるG20=主要20か国の外相会合が7日からインドネシアで開かれます。ロシアからはラブロフ外相が対面で出席する予定で、ウクライナ情勢を巡り、G20としてどのような議論を行えるかが焦点となります。

アメリカのブリンケン国務長官も対面で出席するということです。また、G20のメンバーではないものの、ウクライナのクレバ外相も招待されています。会合では、ウクライナ情勢が主要な議題になる見通しで、8日、全体で集まり、世界的なエネルギー価格の高騰や懸念が高まる食料危機への対応などについて議論が行われるとみられます。

防衛省「ロシア海軍艦艇 沖ノ鳥島付近の接続水域を航行」

防衛省は、ロシア海軍の艦艇が6日、日本最南端の沖ノ鳥島付近で、領海のすぐ外側にある接続水域を航行したと発表しました。ロシア軍の艦艇が沖ノ鳥島付近の接続水域に入ったと防衛省が公表したのは初めてで、航行の目的を分析するとともに警戒・監視を続けています。