里見香奈女流四冠 プロ棋士編入試験へ意気込み【一問一答】

将棋のプロ棋士を目指して、8月から日本将棋連盟の「編入試験」に臨む里見香奈女流四冠が6日に大阪市内で会見し「厳しい戦いになると思うが全力を尽くしたい」と意気込みを語りました。

ことし5月、プロ棋士への「編入試験」を受験する資格を獲得した里見女流四冠は、6月、日本将棋連盟に受験を申請しました。

「編入試験」が始まるのを前に6日、大阪 福島区の関西将棋会館で会見し、「正直、自分の実力からすると厳しい戦いになると思う。目の前の対局に全力を尽くし、日々頑張りたい」と意気込みを語りました。

里見女流四冠は島根県出雲市の出身で、攻めの棋風や終盤の読みの鋭さから『出雲のイナズマ』という異名で知られます。

2011年からは「奨励会」に所属して女性初の三段になりましたが、プロ棋士として位置づけられる「四段」への昇段は果たせず、4年前、年齢制限のために「奨励会」を退会しました。

その後も女流タイトル獲得数の歴代最多記録を更新するなど活躍を続け、今回、受験資格を得て再びプロ棋士を目指すことになりました。

里見女流四冠は「奨励会にいた時は、プロ棋士になることだけを考えていたが、今は純粋に将棋が大好きで、将棋の技量向上を目指し、強い人と対局したい」と述べました。

「編入試験」では8月以降、四段の棋士との五番勝負を行い、3勝すれば女性初のプロ棋士が誕生します。

【一問一答】

日本将棋連盟の「編入試験」に臨む里見香奈女流四冠が行った記者会見での一問一答です。

Q.編入試験を受ける決断をした経緯は。
A.1か月がたったが、あまり深く考えるということではなく、ほかの棋戦の対局も入っていたので、目の前の対局を全力でこなしていた。その中であまり考える余裕はなく、挑戦してみたいという気持ちが出てきたので、そうすることにした。

Q.試験を受ける意気込みは。
A.正直、自分の実力からすると厳しい戦いになると思うが、試験までにできるかぎりのことをして、全力で挑みたい。

Q.将棋ファン、子どもたち、特に女の子たちは注目すると思うが、どのように思うか。
A.自分自身、悔いのないように過ごしていきたいと思っているが、そういった中で周りの皆様に何か届けられればいいと思う。

Q.女性初という点についてはどのように感じるか。
A.これだけ多くの方々に注目されるのをうれしいと思うと同時に、こういうことが珍しくないような社会になればいいと思う。私自身は自分のことで精いっぱいなところもあるので、目の前のことに全力で取り組めたらと思っている。

Q.将棋における男女の差はどう感じているか。
A.現状はかなり差はあると感じているので、少しでも埋められるようにしたい。おとなりの囲碁界では男女関係なくきっ抗している印象を受けるので、そういったことも私自身の刺激となっている。

Q.プロ棋士に対する思いは?
A.奨励会に編入したときはかなり意識していた。プロ棋士になることだけを考えていた。今はどちらかというと、そういうわけではなくて、純粋に将棋が大好きで、少しでも自分の棋力向上を目指して、強い方々と対局したいという思いがある。

Q.成績が上がった要因は。
A.昔は時間重視で勉強していたが、勉強のしかたを変えたところもある。AIがすごく強くなっている中で、自分の個性を出せる将棋を指したいと考えている。勝敗に限らず、自由度の高い将棋を指していきたいと思っているのが、結果的によくなっている理由なのかなと思う。

Q.AIをどのように研究に取り入れているのか。
A.すべてをAI通りに指せるわけではないので、AIがよしとしている部分と、自分が指しこなしていける部分が一致したところを落としどころとして使っている。すべてをAIに頼っているわけではない。

Q.若手はかなりAIで研究をしているが、対策は。
A.対策は相手によって変わると思うが、相手がどうこうというより、自分が力を出し切れるよう対策を練って戦いたい。

Q.合格した場合は女流棋士の活動も続けるのか。
A.そのつもりではいるが、まだ現実にそうなったわけではないので、そうなったときに考える。

Q.相談した人からはどんなことばをかけられたのか。
A.身近な人にちょっと話をしたくらいだが、私の体調を気遣ってくれることばばかりだった。そういったことばが、かえって挑戦してみたいという気持ちに変わった。両親も、とにかく体調を気遣ってくれた。
Q.奨励会の三段リーグにいたときと、今の心境の変化はあるか。また、五番勝負をどのように捉えているか。
A.当時と比べると心境は変わっている。将棋を指せることがどれだけ幸せか気づけた。編入試験については5局全体を考えるより、目の前の対局に全力を尽くすということで、日々がんばっていきたい。

Q.地元の存在について。
A.地元にいるときは温かく声をかけてもらった。10年ほど前に大阪に出てきてからも、常に温かく見守ってもらっている。将棋をする上でのモチベーションになっている。

Q.試験官を務める5人の棋士の印象は。
A.奨励会も含めると、5人すべてと対局したことがある。それぞれ個性あり、全く違う将棋を指すので、1局1局対策はしっかり練っていかないといけないと思っている。

Q.強化したいところは。
A.私はどちらかと言えば序中盤型かなと思っているので、とにかく終盤を、力勝負になったところでの正確性、終盤力を上げられるよう勉強していきたい。

Q.プロ棋士になって対局することは、どんな広がりがあると思うか。
A.あまり深く考えていないが、ただ強い人と対局したいという気持ちがある。プロ棋士になれるかどうかというよりは、自分がどこまでやれるかを重視している。

Q.決断がギリギリになった理由は。
A.毎日毎日考えるということではなく、より後悔しないような選択をするために、ギリギリまで、自分の感情が動くかどうかというところを見ていた。最後は自分がどれだけやれるのかというところで判断したところはある。