台風から温帯低気圧 なぜ広範囲で記録的大雨に? 6日も警戒を

台風4号から変わった温帯低気圧などの影響で、西日本から北日本にかけての広い範囲で大気の状態が不安定になりました。
高知県では4日夜遅くから5日未明にかけて発達した雨雲が次々とかかり続け「線状降水帯」が確認されました。台風4号が上陸した朝には九州北部で、昼からは北海道や青森県でも「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表され、土砂災害や浸水の被害が報告されています。

いったいなぜ、こんなに広い範囲で記録的な大雨となったのか。

気象庁の予想を超えてかかり続けた雨雲 なぜ?

その理由は、
「台風からの湿った風」と
「太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気」です。

高知県で「線状降水帯」が確認された5日未明、台風4号はおよそ400キロ離れた長崎県の南の海上にありました。

このとき西日本では、台風4号の影響で反時計回りの南寄りの風が吹き込んでいたほか、日本のはるか東に中心がある太平洋高気圧の縁を回るように時計回りに暖かく湿った空気が流れ込んでいました。
高知県ではこの2つの空気の流れが集まり、須崎市では午前1時40分までの12時間に降った雨の量が353.5ミリに達し、統計を取り始めてから最も多くなったほか、四万十町窪川では48時間に降った雨の量が560ミリを超え平年の7月1か月分の1.5倍近くに達するなど、気象庁の予想を超えて雨雲がかかり続けたと見られています。

そして台風4号が長崎県佐世保市付近に上陸した5日朝には台風周辺の湿った空気が流れ込んで、九州北部(長崎・福岡・熊本)ではレーダーによる観測で1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は相次いで「記録的短時間大雨情報」を発表しました。

上空の寒気で北日本も大雨

さらに北日本や東日本の上空にはマイナス6度以下の寒気が南下し、北日本を中心に大気の状態が不安定になって局地的に雨雲が発達しました。

昼すぎからは、北海道の岩見沢市岩見沢付近や三笠市付近、青森県の弘前市付近や大鰐町付近などで、レーダーによる解析で1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
北日本は西日本や東日本と比べるとふだん雨の量が少なく、短時間の雨でも災害の危険度が上がりやすいため、事態の急激な変化に備えが必要です。

長時間の雨で災害の危険度高まるか 6日朝も注意を

台風4号から変わった温帯低気圧は6日にかけて本州の南岸を進む見込みです。

暖かく湿った空気が流れ込み続けるため、関東から四国にかけては長く続く雨による土砂災害や川の増水、低い土地の浸水などに警戒が必要です。

夜間の時間帯に雨が強まると避難などが難しくなる可能性もあります。
川や斜面のそばで不安な場合には早めに安全な場所に移動しておくことも大切です。

特に関東では、6日朝の通勤・通学の時間帯に発達した雨雲がかかるおそれがあります。最新の気象情報や自治体からの情報に注意してください。

「温帯低気圧になり むしろ広い範囲で雨のおそれ」

気象のメカニズムに詳しい名古屋大学の坪木和久教授は、5日朝から航空機に乗って西日本の上空で気象観測を行いました。
午前中、温帯低気圧からやや離れた四国や紀伊半島周辺にも非常に多くの水蒸気が流れ込んでいるのを確認したということです。

坪木教授は「大気の低いところから高いところまで非常に大量の水蒸気が観測されているので、台風が温帯低気圧になっても安心とは言えない。台風4号は台風としては比較的勢力が弱かったが、温帯低気圧になったことでむしろ広い範囲で風が強まり、雨の範囲が広がるおそれもある」と指摘しました。

そのうえで「6日にかけて引き続き大雨に警戒が必要で、低気圧から離れた地域でも注意してほしい」と話していました。