ロシア ルハンシク州全域を掌握と発表 ドネツク州掌握へ攻勢か

ロシア国防省は3日、完全掌握を目指しているウクライナ東部2州のうちルハンシク州の全域を掌握したと発表しました。
これに対しウクライナ軍の参謀本部は、武器や兵力などの面でロシア側が優位にあるとしたうえで「兵士の命を守るため撤退することを決めた」と強調しました。

ロシア国防省は3日、声明を出し、完全掌握を目指しているウクライナ東部2州のうち、ルハンシク州でウクライナ側最後の拠点とされるリシチャンシクを支配下に置いたと主張したうえで「ショイグ国防相がルハンシク州全域を掌握したとプーチン大統領に報告した」と発表しました。

ルハンシク州の親ロシア派の武装勢力の指導者パセチニク氏は3日、SNSに「われわれの歴史に永遠に刻まれる日だ」などと投稿しました。

これに対しウクライナ軍の参謀本部は3日SNSに投稿し、武器や兵力などの面でロシア側が優位にあるとしたうえで、リシチャンシクの防衛を続ければ致命的な結果を招くとして「兵士の命を守るため撤退することを決めた」と強調しました。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、新たな動画を公開し「敵が火力で勝る地域において前線から兵士を引き揚げることはリシチャンシクにも当てはまる。われわれの戦術と近代的な兵器の供給の増加によって、われわれは戻ってくるだろう」と述べました。
一方、隣接するドネツク州のスロビャンシクの市長は3日、SNSに動画を投稿し「これまでで最も激しい攻撃があった。多くの死傷者が出ている」と明らかにしました。

ウクライナの公共放送はドネツク州政府の報道官の話として、スロビャンシクへの攻撃で6人が死亡し、15人がけがをしたと伝えています。

また、親ロシア派の武装勢力の幹部はSNSでリシチャンシクから西に30キロほど離れたドネツク州の町で「戦闘がすでに始まっている」と述べていて、ロシア軍はルハンシク州に続いてドネツク州の掌握に向けた攻勢を強めるものとみられます。