ロシア軍 対艦ミサイル使用 市民の犠牲増える懸念 英国防省

ロシア軍による住宅などへの攻撃でウクライナ各地で多くの市民が被害を受ける中、イギリス国防省は、ロシア軍が都市部の目標を正確に攻撃するためのミサイルではなく対艦ミサイルを使っていると指摘していて、こうした攻撃が続くことで、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されます。

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向けて、ウクライナ側の拠点リシチャンシクに部隊を進め攻勢を強めています。

さらにロシア軍は東部以外でも広範囲でミサイル攻撃を強めていて、南部オデーサ州では1日未明、9階建ての集合住宅などが攻撃され、ウクライナの非常事態庁によりますと、子どもを含む21人が死亡し、39人がけがをしました。

先月27日には、ロシア軍が中部ポルタワ州のクレメンチュクにあるショッピングセンターをミサイルで攻撃し、多くの市民が犠牲になりました。

イギリス国防省は2日、「ロシア軍は、近代的で精度の高い兵器の備蓄が減っているため、地上への攻撃に空中発射型の対艦ミサイルを使用し続けている」と指摘しました。

具体的には、艦船を攻撃するために旧ソビエト時代に開発された「Khー22」やその改良型が使われたと分析し、「都市部の目標を正確に攻撃するためのミサイルではなく、巻き添え被害の可能性が大幅に高まる」と警告しています。

ウクライナ軍は、ロシア軍がこのところミサイルによる攻撃を急増させていると分析していて、こうした攻撃が続くことで、市民の犠牲がさらに増えることが懸念されます。