オデーサ州へのミサイル攻撃 ゼレンスキー大統領は非難

ウクライナ南部のオデーサ州ではロシア軍によるミサイル攻撃で子どもを含む21人が死亡し、ゼレンスキー大統領は「意図的なテロだ」などと非難しました。アメリカは日本円にしておよそ1100億円の軍事支援を行うと発表し、ウクライナの防衛力を引き続き強化していく構えです。

ウクライナではロシア軍による激しい攻撃が続いていて、南部オデーサ州では1日未明、9階建ての集合住宅と保養施設がロシア軍によってミサイルで攻撃されました。

現地からの映像では建物が崩れ落ち、がれきの山となっている様子が確認できます。

ウクライナの非常事態庁によりますと子どもを含む21人が死亡、39人がけがをしたということです。

これについてゼレンスキー大統領は1日に公開した動画で「意図的なテロであり、ミスや偶発的なものではない」と述べ、ロシアを非難しました。

こうした中、アメリカ国防総省は1日、ウクライナに対して防空ミサイルシステム「ナサムス」2基を含む8億2000万ドル、日本円にしておよそ1100億円の新たな軍事支援を行うと発表しました。
「ナサムス」について、アメリカのCNNテレビは首都ワシントンを防衛するために使われているものと同様のタイプだと報じています。

国防総省によりますと、ウクライナへの軍事支援はこれまでに合わせておよそ69億ドル、日本円でおよそ9300億円にのぼります。

これは世界の軍事情勢を分析するスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が推計した2021年のウクライナの国防予算、59億ドルを上回る額で、アメリカは引き続き、ウクライナの防衛力を強化していく構えです。

また、国防総省の高官は1日、記者団に対し、対艦ミサイル「ハープーン」による攻撃が黒海のズミイヌイ島の奪還につながるなど、アメリカなどがウクライナに供与した兵器がロシア軍に対する攻撃に効果を上げているという認識を示しました。