新型コロナ新規感染者 全国で増加 32都府県で前週より多く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると全国では増加に転じ、人口の多い首都圏や関西、東海など、32の都府県で前の週より多くなっています。

NHKは、各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

▽6月2日までの1週間では、前の週に比べて0.68倍
▽6月9日は0.75倍
▽6月16日は0.87倍と、5週連続で減少していましたが、
▽6月23日は1.00倍
▽6月30日まででは1.23倍と、
増加に転じました。

一日当たりの平均の新規感染者数はおよそ1万7464人で、新規感染者数は人口の多い首都圏や関西、東海、九州などの32の都府県で前の週より多くなっています。

沖縄県

▽6月16日までの1週間は、前の週の0.98倍
▽6月23日は0.99倍でしたが、
▽6月30日まででは1.15倍と、
増加しています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1389人で、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は662.70人と、全国で最も多い状態が続いています。

1都3県

【東京都】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.89倍で、5週連続で減少していましたが、
▽6月23日は1.15倍
▽6月30日まででは1.40倍と増加していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2543人となっています。

【神奈川県】
▽6月16日までの1週間は前の週の0.84倍
▽6月23日は1.16倍、
▽6月30日まででは1.29倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1073人となっています。

【埼玉県】
▽6月16日までの1週間は前の週の0.95倍
▽6月23日は1.09倍、
▽6月30日まででは1.21倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ743人となっています。

【千葉県】
▽6月16日までの1週間は前の週の0.97倍
▽6月23日は1.06倍、
▽6月30日まででは1.36倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、613人となっています。

関西

【大阪府】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.85倍
▽6月23日は0.96倍でしたが
▽6月30日まででは1.44倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1610人となっています。

【京都府】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.92倍
▽6月23日は0.97倍
▽6月30日まででは1.14倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ326人となっています。

【兵庫県】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.82倍
▽6月23日は1.01倍
▽6月30日まででは1.22倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ698人となっています。

東海

【愛知県】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.79倍
▽6月23日は0.99倍
▽6月30日まででは1.26倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ1007人となっています。

【岐阜県】
▽6月16日までの1週間は前の週の0.70倍
▽6月23日は0.72倍
▽6月30日まででは1.25倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ219人となっています。

【三重県】
▽6月16日までの1週間は前の週の0.82倍
▽6月23日は1.09倍
▽6月30日まででは1.33倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ202人となっています。

その他の地域

【北海道】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.88倍
▽6月23日は0.81倍
▽6月30日まででは0.85倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ558人となっています。

【宮城県】
▽6月16日までの1週間は、前の週の1.06倍
▽6月23日は0.84倍
▽6月30日まででは0.86倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ190人となっています。

【広島県】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.81倍
▽6月23日は0.86倍
▽6月30日まででは1.05倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ346人となっています。

【福岡県】
▽6月16日までの1週間は、前の週の0.81倍
▽6月23日は1.02倍
▽6月30日まででは1.31倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は、およそ886人となっています。

このほか、6月30日までの1週間では、
【和歌山県】前の週の1.66倍
【鳥取県】前の週の1.60倍
【島根県】前の週の2.82倍
【愛媛県】前の週の1.57倍
【佐賀県】前の週の1.54倍
【熊本県】前の週の1.52倍
【大分県】前の週の1.68倍
【宮崎県】前の週の1.53倍
と、増加の幅が比較的大きくなっています。

専門家 “増加傾向 続くと次の感染の大きな波にも”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「感染者数は増加傾向となり、それが強くなり始めていると考えられる。6月から7月にかけて3連休や夏休みで人の接触の機会が増える。ワクチンの効果も徐々に弱まり、感染力が強いと指摘されるオミクロン株の『BA.5』が市中で広がってきていている。この状況がさらに2週間、3週間続くと、次の感染の大きな波になってしまう可能性を考えておかなければいけない」と指摘しました。

そのうえで「ある程度の感染は受け入れながら、第6波を超えるような爆発的な感染を起こさないようにする対策とともに、重症化するリスクの高い高齢者や、基礎疾患のある人たちを守るような対策をとることが大事で、今までやってきた基本的な感染対策をもう1度思い出して徹底していただきたい」と述べました。

また、猛暑の中での感染対策について「熱中症になると、1日か数日で重症化して亡くなる人も出るため、熱中症対策を第1に考える必要がある。熱中症のリスクがあるときにはマスクの着用は無理せず、室内や、大人数で話すような状況では着用するといったように、効果的に使ってほしい。室内でクーラーを使っているときでも、1時間に1回程度、気温が上がりすぎないように換気をするのも大事だ」と話しています。