ウクライナ 黒海拠点の島を奪還 反転攻勢につながるかが焦点

ロシア軍は、完全掌握を目指している東部ルハンシク州でウクライナ側の拠点への攻勢を引き続き強めています。
一方、ウクライナ側はロシア軍が占拠していた黒海の拠点の島を奪還したと強調し、南部や黒海周辺で反転攻勢につながるかが焦点となっています。

ウクライナ各地へのミサイル攻撃などを続けるロシア軍は、完全掌握を目指す東部ルハンシク州ではウクライナ側の拠点、リシチャンシクに向けた攻撃を引き続き強めています。

現地の親ロシア派の武装勢力の幹部は30日、リシチャンシクの主要なインフラを掌握したと主張しています。

一方、ウクライナ南部のオデーサ州の沖合にあり、ロシア軍が占拠していた黒海のズミイヌイ島について、ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、新たな動画を公開し「ズミイヌイ島は再び自由になっている」と述べ、島を奪還したと強調しました。

ズミイヌイ島は軍事侵攻が始まった直後にロシア軍に占拠され、ロシア側が港湾都市オデーサとその周辺一帯を攻略する拠点と位置づけているとみられていました。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は30日「ウクライナから農産物を輸出するための『人道回廊』を設置するという国連の努力に、いかなる障害もないことを国際社会に示すものだ」と説明し、あくまでも自主的に軍を撤退させたと主張しています。

こうした中、南部オデーサ州の当局の報道官は1日、州内にある9階建ての集合住宅にミサイル攻撃があり、少なくとも10人が死亡し子どもを含むけが人がいることも明らかにし、ロシア軍は南部での攻撃も激化させているとみられます。
ゼレンスキー大統領は「ズミイヌイ島は戦略的な要衝で、黒海をめぐる情勢を大きく変えるが敵は戻ってくるかもしれない」とも述べ、予断を持たずにロシア軍と対じする考えを示しました。

ウクライナ軍が黒海の拠点の島を奪還したことで、南部や黒海周辺で反転攻勢につながるかが焦点となっています。